先へ、その先へ 【異形 唐九郎 高宏展】より

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ここ数日の穏やかな日差しで渋谷の桜も満開を迎えようとしています。
庭の小さな枝垂れ桜も花が開き、穏やかな春の訪れです。

さて、昨日より始まりました『異形 唐九郎 高宏展』。加藤唐九郎先生の「異形皿」と呼ばれる作品をメインに、先週に引き続き孫である加藤高宏先生の作品と共にご紹介しております。

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加藤唐九郎 黒釉異形皿   詳細はこちら

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1965年~68年頃の僅かな期間に唐九郎先生が制作された「異形皿」。
当初の予定では単体での作品というよりは数を作り、積み重ね、全体をインスタレーションのような作品として発表する計画をしていたようです。
大地が隆起し、うねるような造形。展示の方法、見せ方も平面的なものではなく、立体的に考えていたのでしょうか。走るような筋目は表面だけはなく、裏側にも彫り込まれ、釉掛けも淡色ながら濃淡や流れを強く意識したものになっています。直線を主とした構造ですが、その大きな器体のうねりと伸びやかな縁の仕事からは決して硬直したような印象を受けません。


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加藤唐九郎 灰釉異形皿   詳細はこちら


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加藤唐九郎 古瀬戸釉異形皿   詳細はこちら

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当時唐九郎先生は70代へ差し掛かるという頃。所謂「永仁の壺」事件後、公職を辞され、作陶中心生活に移行され数年が経とうとしていた頃。数年前に訪欧しパリでの作陶を行ったことも影響にはあるかも知れませんが、「近代陶」からより「現代陶」へとその歩みを強く踏み出している唐九郎先生の姿が如実に表れた作品だと言えるかも知れません。

T5-1.jpg加藤唐九郎 志野異形皿   詳細はこちら


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志野の異形皿はずっしりとした量感のある造形に、抽象画のような鉄絵と彫りの線。初期の「桃山復興」の志野とは全く別次元の表現に挑まれています。1963年に加山又造先生と大陶壁を共同制作したことを皮切りに、昭和40年代半ば辺りから様々な「陶壁」の制作にも挑まれますが、本作はそうした流れの中にある作品とも捉えられるかも知れません。

何よりもこうした「異形皿」がこの年齢でありながら、いずれも実に瑞々しい作品であるという点に、改めて唐九郎先生の魅力を感じてしまいます。


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加藤高宏 織部伊賀花入   詳細はこちら

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今回の展示会では加藤高宏先生に異形皿に呼応するような形でタタラ作りの花入を制作して戴きました。
胴には大海を力強く漕ぎ分けるオールの軌跡のように、強く前進力のある箆目。
降り注いだ灰と鮮やかな赤茶色の土の対比も鮮烈な印象です。

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No.47 加藤高宏 志野茶碗   詳細はこちら

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No.42 加藤高宏 志野茶盌 銘『白獅子』   詳細はこちら

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29-7.jpgNo.29 加藤高宏 黒織部茶碗   詳細はこちら


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No.49 加藤高宏 暁茶碗

そして先週に引き続き、高宏先生の茶碗も展示しております。
高宏先生らしい天衣無縫な造形と絵画のような釉掛け、そして彫刻のような特徴的な高台。現代陶を、そしてこれまでのご自身の作品を、更にその先の表現へと前進させるような先生の姿を感じる茶碗です。


展示は3月30日(火)まで。ホームページでも作品をご紹介しておりますので、併せてご高覧下さいませ。



異形 唐九郎 高宏展
Exhibition of KATO Tokuro & KATO Takahiro
しぶや黒田陶苑:2021年3月26日(金)〜 3月30日(火)
11:00 - 19:00


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加藤唐九郎 志野茶碗   詳細はこちら



(巻)
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