【加藤高宏展】  ~作品紹介~

先週末は激しい大雨と雷に見舞われた東京、神奈川。
雨上がりにはダブルレインボーと言われる、二重虹が見えたそう。翌日には、快晴。姿は見えなかったが、まだまだ下手くそな鶯の鳴き声が聞こえてきて、なんだか嬉しくなった。

気づけば、ついこの間まで枝先にビロードのような毛に覆われた蕾を沢山つけていたコブシの樹は、柔らかな白い花びらを広げて満開。
花の一つ一つは気品ある静かな顔をしているのに、一斉に花開いた樹は華やかそのもの。春の陽射しが、少しづつ花びらの白に陰影をつけ吸い込まれるような美しさです。


さて、今週の金曜日からは、久々の個展となります【加藤高宏展】が始まります。
冒頭のコブシの花もそうですが、やきものの世界も、作品となって会場に並ぶまでの日々の積み重ねは、目立たず知る人ぞ知る地味な積み重ね。渋谷に久々に花開いた高宏先生の作品の数々を、ご堪能戴けたら幸いです。

実は、陶苑のスタッフも皆、高宏先生の展示会は初めて。
お客様と同じく、新鮮な目で拝見したいと思います。

では、先生のご紹介もしながら作品をご紹介していこうと思います。

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会場
近現代陶芸界の鬼才 加藤唐九郎を祖父に、また、加藤重髙を父に持つ高宏先生。
祖父やお父上の目指された原点でもある桃山陶を学ぶと共に、お近くにいらしたお二人の作品に触れながら独自の作風を目指して来られました。伝統を重んじながらも独自の創意を加え、造形的な作品を作っておられます。

ゆったりとした伝統的スタイルのものと、斬新な箆削りの仕事が入った作品が並びます。特に箆削りのタイプは、高宏先生の独自のスタイルです。

【茶碗】

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2:志野茶碗  銘 天草(あまくさ)
大胆に箆で削った素地に、即興的に鉄絵を施し、その上から長石釉(志野釉)をあえて掛け残すように掛け、抽象絵画を描くように景色を作っている。
見込みの茶溜りの部分も、波状に削られている。
高台の、斬新な作りも面白い。


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11:志野茶碗  銘「火の鳥」(ひのとり)
こちらは火の鳥が頂上に佇んでいそうな山の様な口縁の茶碗。
土見せのザラつき、カサカサとのる鉄釉、膨らみある釉、削るによる凹凸の変化、様々なテクスチャーが一つになって素敵。
高台の削りも、火の鳥のくちばしの様な削りが入っている。


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12:赤織部茶碗  銘「獅子舞」(ししまい)
こちらもザックリとした柔らかな土の味わいを残した織部釉を掛けたお茶碗。
銘の獅子舞のように、躍動感溢れる作品。


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8:黄瀬戸茶碗  銘「月砂漠」(つきさばく)
茶碗に一周入った鉄絵が砂漠の砂山の様な黄瀬戸茶碗。
土味を残したザラつきのある感じも愉しめる。


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14:黒織部茶碗  銘「八咫烏」(やたがらす)
八咫烏は、日本神話に登場する烏で、導きの神として信仰されている。また、太陽の化身ともされる。
一般的に三本足の姿で知られ、古くよりその姿絵が伝わっている。三本の足はそれぞれ天・地・人を表し、神と自然と人が、同じ太陽から生まれた兄弟であることを示すとしている。
こちらは伝統的なスタイルの流れの中に、意匠的な釉の掛け方や、削りの仕事が入って、高宏先生の匂いを醸し出している。


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4:茜志野茶碗  銘「苺月」 (いちごつき)
ストロベリームーンと言われる満月のようなふっくらとした厚みのある丸い茶碗。
伝統の流れの中にある柔らかな形の中に、大胆な釉の掛け残しの部分があって面白い。





【酒器】
酒器作品に関しましては混乱を避ける為、朝お並び戴きましたお客様に整理券をお配りする予定です。
詳しくは下記をご確認下さいませ。


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32:志野ぐい呑 / 15:志野ぐい呑
たっぷりと釉掛けされたタイプと、薄めに掛けた釉がほんのり緋色に染まったもの。


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19:黄瀬戸ぐい呑 
春色が詰まった黄瀬戸のぐい呑。薄萌葱色の中にほんのり薄桃色が浮かび上がって、本当に美しい。


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20:絵唐津ぐい呑 / 33:唐津ぐい呑
釉垂の先が足になった絵唐津のぐい呑と、口元の割れもそのまま活かして作品にされている唐津ぐい呑。









美しいものが、人の手を伝い、長い時を経て、存在し続けるということ。
それを胸に止めてシルクロードを遡る旅をした若かりし頃。その時間は、自身のルーツを考えさせ、日本の文化を見つめ直すものになったそう。幼い頃から親しんだ、侘茶の世界に通じる道を見つけ、「茶碗は土であり、器であり、人の心に触れる」のだと作陶の道に入られました。

その思いは、今も変わらず先生の心の中に燃え続けています。








(葉)




 【加藤高宏展】 
Exhibition of KATO Takahiro
開催期間:2021年3月19日(金) ~ 2021年3月23日(火)
Exhibition : March 19 to March 23, 2021




陶歴
1972年 名古屋市守山区に父・重髙と母・延江の次男として生まれる。
1994年 中国・西安、敦煌を経てウルチムよりカザフスタン、ウズベキスタン、ロシア、東欧、西欧諸国を陸路でまわり、スペインのグラナダに約一年間滞在。語学、美術を学ぶ。帰国後、重髙陶房にて作陶。
1998年 「日印文化交流展」出品。
1999年 大阪・阪急うめだ本店で「一碗のいのり」加藤高宏展開催。以降名古屋・大阪・金沢・岐阜・東京等各地で作品を発表。
2003年 「現代日本の陶芸 受容と発信」(東京都庭園美術館)
2005年 「瀬戸市美術館特別展 瀬戸の現代陶芸」出品。
2006年 しぶや黒田陶苑にて初個展。
2008年 名古屋・丸栄、菊池寛実記念 智美術館で「加藤唐九郎・重髙・高宏 窯ぐれ三代展」開催。




 京橋 魯卿あん 
 Rokeian
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