減り張り
楽しみにしていた番組が終了して、その曜日の張り合いがなくなり、少しばかり〇〇ロスになっている。毎週録画をしているのだから、慌てなくともいいものをリアルタイムで見たいものだから、始まる時刻が近づくとソワソワして、食後の後片付けもそこそこでテレビの前に。せわしいながらも、それが習慣のようになっていたので、突然その習慣を強制終了させられたようで、なんだか気持ちがしっくりこない近頃である。
『コレクターのまなざし~現代作家特集』、本日よりスタートしました。当苑で作品を展示させていただいている作家の先生方、今は亡き作家の方がかつて創作された酒器をはじめ、茶碗、器など、現在との作風の違いも感じられるような展示となっております。是非、じかに作品をご覧になっていただきたいと思います。
ご覧の通り、店内が狭く感じられるほどに所狭しという感じで、沢山の作品が並んでいる様は圧巻です。どうぞ、お運びいただいて、実感していただきたいと思います。
今週の花
軸:石黒宗麿 「憶」
花器: 金重道明 「伊部耳付花入」
花: 更紗モクレン・雪柳
更紗モクレン
モクレンとハクモクレンとの交雑種で、両方の中間的な特徴をもち、花色もぼかしが入ったような、とても美しい花です。
開きかけの様子も可憐です。
まだ、産毛のような帽子を被っている蕾もあります。
花器: 丸田宗彦 「斑唐津窯変花入」
花:クリスマスローズ
俯き気味で咲く様子が、丸田先生の花入れのフォルムと呼応しているように見えます。
今回の展示。数多の作品を目にして、当苑と長いお付き合いの先生方の作品が、最近のそれとかなりの違いを感じる場合がある。長い歴史の中で、ここ数年の展示や作品しか拝見していない自分は、「こんな作品もお作りになっていらしたのか!」と驚きとともに、いちいち感動している。と同時に、今に通ずる雰囲気を持ち合わせていることもあり、見ているだけでたいへん興味深い。その変遷は、当然先生方の精魂を込めた創作活動により生まれたものだろう。そして、それだけでなく先生方の目指されるものが、ご自分の考え方の変化や取り巻く環境・時勢の影響なども大いにあったのではないだろうか?
海が凪の時もあれば嵐の時もあるように。穏やかなる時、穏やかならざる時を乗り越えられてこその現在に続く創作に結実しておいでのはず。当苑でお会いする先生方の笑顔に様々な「減り張り」が光背のように見えてきた。
(藤)
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魯卿あん(しぶや黒田陶苑・京橋店)
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