その眼の先にあったもの 『小山冨士夫展』二週目より

No.6 鐡絵水指 種子島土 小山冨士夫先生の作品の特徴とはどんな所でしょうか。 しばしば言及されるのが「轆轤の早さ」。一気に挽き上げる轆轤の仕事から生まれるのは、底から首まで変わらぬ勢いで貫かれる動的な造形。揺らぎ、傾きは立体作品の陶芸だからこそとも言える、見る角度による景色の変化が愉しめる大きな要素になっています。薄手の…

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枯淡の境地

明日で10月もおしまい。今月のカレンダーを剥がしたら、もう残りは2枚。気の早いテレビコマーシャルは、クリスマスのそれになっていた。が、更に上手がいて、デパートはとっくのとうに、クリスマスケーキの予約、そしてお節料理のカタログも配布開始となっている。年々早くなっているようで、10月から年末年始をちらつかされると、ちょっと落ち着かない気分に…

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【やきものに捧げて 小山冨士夫展】 ~2週目 作品紹介~

風に揺れる秋らしいキバナコスモスの花の華やかさに気を取られているうちに、気付けば庭に片隅からはニョキニョキと来春に向けて水仙の芽が頭を出し始めていました。その健気にも力強い姿は、先週末より始まりました小山冨士夫先生の作品の醸し出す雰囲気と重なります。さて、先週より引き続き開催致します【やきものに捧げて 小山冨士夫展】。陶磁研究家で、陶芸…

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常設作品より〜燗の季節に

そろそろ、お仕事を終え晩酌をしながらお好きな趣味などで日中の疲れを癒していらっしゃるお時間・・・でしょうか。コートがないと肌寒くなり、紅葉の進み具合も気になってくるこの頃。そして、芋・栗・南京などの季節の果実。先日、趣味でプロ顔負けの家庭菜園をしている義母の手伝いをしながら、雨水をたっぷりと含んだ土に触れ、収穫間近の野菜たちや、頃合…

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魯卿あん便り…色絵龍安寺

京都市右京区にある龍安寺の石庭より着想を得たデザインで、白化粧の上に赤絵の格子で以て砂紋を表し、石を色絵で以て描いている。また、器の全面に石庭紋様を配置せずに一部に留めている点は洒脱で何時見ていても飽きず、龍安寺の石庭から大幅にデフォルメした色彩や岩の形状などと相まって、魯山人先生の作家としての大胆さが垣間見える作品となっている。色絵吸…

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「鵜の目 鷹の目」やきものに人生を捧げた小山冨士夫

  久々に気持ちの良い気候、秋晴れの週末になりました。今週から、「やきものに捧げて 小山冨士夫展」を開催しております。自身の鎌倉永福窯と岐阜駄知の花木窯のみならず、唐津、備前、信楽、京都、美濃など、各地の優れた作家のもとで作陶された小山先生。やきものを愛し、人生を捧げた先生の色とりどりの作品がならびました。 唐津壷 …

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土の声を聞く 【やきものに捧げて 小山冨士夫展】

研究者として、陶芸家として、そして何よりも一人のやきものを愛した人として、小山冨士夫先生は我々陶芸を扱う人間にはあまりにも大きな存在として今も生き続けています。 国内、国外を飛び回り、多くの作家とも交流を深めた小山先生。陶芸家としての作品も実に多岐にわたる技法に取り組まれています。それでいてどの作品にも確かに小山先生の作家とし…

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痛み

いたいっ!右手の人差し指の第二関節の痛み。栗ご飯を作ろうと買ってあった栗を剥く作業を思うと、ついおっくうになって放置していた。やっと、重い腰ならぬ包丁を握る気持ちを奮い立たせて、剥いたのが昨日。栗剥きの簡単な方法とやらを試してみたが、能書き通りになった実感もなく、ひたすら一粒ずつ剥くこと1時間。いやもっとかもしれない。途中、刃先の薄いフ…

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陶房の風をきく ~ やきものに捧げて 小山冨士夫展

23日(金)より小山冨士夫展が始まります。小山富士夫先生は当苑でも大変馴染み深い先生のおひとりです。 東洋陶磁の研究者として世界に知られた先生ですが、やきものに捧げたといえる生涯において、その始まりは作陶でした。その後、研究者となったのちに、また作陶の道へ戻られます。 修業後に居を構えた京都蛇ケ谷時代。たまたま近所に引っ越しをして来…

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【やきものに捧げて 小山冨士夫展】 ~作品紹介~

なんとなくパッとしないお天気が続いた、ここ一週間。昨日、今日は久しぶりに澄んだ青空が広がりました。残念ながら、また明日から少しお天気が崩れるそうです。少し重みを感じる鼠色の空が、低く目の前に広がる……。それは一見同じように見えて、毎日、毎時間、少しづつ違った表情を見せます。その細やかな変化に気付くと、じわじわと自分自身“生きている”“生…

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魯卿あん便り~孤月圓

「魯卿君の陶瓷と篆刻は、世既に定評あるも、其繪畫にいたりては或は陶家の餘技の如く見ている人もあるであらうが、而も然らずして、不羈獨立の逸才横溢、現代に於ける木米ともいふべき風致あり」 戦前の日本画家であり、四条派のみならず他派の筆法を積極的に採り入れ、日本画の近代化に大きく寄与された竹内栖鳳先生。魯山人先生も少年時代憧憬の念を抱き、栖鳳…

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【魯卿あん便り】

- 花入 -北大路魯山人こひき花入- 花 -カルカヤノコンギク 本日の京橋は雨がしっとりと路面を濡らしていますが、この手先には少し渇きを覚え始めたこの頃です。この手を、こひき花入の首の部分に軽く添えて、拭ったような白泥の部分をなぞってみると、片手でいじり、いじりしたかのような動線を感じます。魯山人先生はどのような気持ちでこの作品を触っ…

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「鵜の目 鷹の目」血と汗の結晶 佐次郎作陶展

急に肌寒い気候になり、木々も紅葉し始める頃でしょうか。只今、「窯と闘う 田中佐次郎作陶展」を開催中でございます。今年も力漲る血と汗の結晶というような作品がならびました。 錆鉄水指 銘「破れ龍」 朱雲茶垸 銘「大八洲」 唐津面取茶垸  銘「雷の丘」 斑武者盃 辰砂盃 陶板 …

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実るほど・・・

車を運転していて、信号待ちにふと窓の外に目をやると、イチョウ並木。同じ側に植えてあるのに、早々と薄黄色になっているのもあれば、まだ緑色の葉もある。それも、隣通しの木でも差があり、日照時間や風当たりだけでもなさそうだ。イチョウの木にも、それぞれ個性があるのかな…と思っていると青信号に変わった。『窯と闘う 田中佐次郎作陶展』が始まりました。…

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乾坤一擲 ~窯と闘う 田中佐次郎展

武雄の金原京一は当初、唐津焼起源説は「齋明天皇期築窯説」であるという伝説を実証するため、大正十年から調査をはじめた。七世紀後半に即位した齋明天皇は「百済の仇・新羅を討つ」ため、中大兄皇子(のちの天智天皇)に四万七千人の兵と軍船一〇〇〇隻を百済救援のため扶余へ送らせた。世にいう「白村江の戦い」である。百済は我が国に仏教や須恵器…

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【窯と闘う 田中佐次郎作陶展】 ~作品紹介~

先週末の台風でグンと気温が下がりました。大地に残っていた温かさまでも、一気に冷やしていった感じです。このように外気の気温が下がってくると秋に実る木の実や果実に色が深く付き始めます。我が家のお庭への入口の門扉には山ぶどうの蔓を絡ませてあります。葉っぱと同じような深い緑色だったものが、段々と色が浅くなり、白っぽく変化、やがてターコイズブルー…

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魯卿あん便り…アウトプットする力

書・篆刻に始まり作陶までここまで多彩に表現された陶芸家は他に類をみない。京橋・大雅堂美術店の2階に『美食倶楽部』を開店させた魯山人先生。料理は好評で、美食倶楽部の会員が増えたこともあり、既存にない自作の器を染附・色絵などで制作した。これが作陶の始まりである。その後、朝鮮半島鶏龍山の粉青沙器の再現をめざし、朝鮮半島にも渡って粘土やカオ…

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「鵜の目 鷹の目」気品ある常山茶注

台風の影響もあり、長い雨になりました。だんだんと秋が深まってくるような気がいたします。今週は、「人間国宝 三代 山田常山展」を開催中でございます。気品のある茶注。研ぎ澄まされた轆轤の技術が結集されてた仕事の数々を展示しております。 朱泥小茶注 常滑茶注-五種 梨皮泥藻がけ茶注 常滑自然釉茶注 …

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伝統と品格と 『人間国宝 三代 山田常山展』より

No.4 三代 山田常山   朱泥彫刻入茶注 手中に収まるほどの小さな茶注。古典にその軸を持ちながらも現代的な発想で常滑急須の世界を大きく広げた三代・山田常山先生の展示会が昨日より始まりました。急須作りの名工として知られた祖父・初代山田常山、父二代山田常山に師事しその技術を磨き、窯変や糸目を付けた変化に富んだ日本的な朱泥、古陶磁の…

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急須

夏を日本で過ごした鷹が冬を越すために暖かい東南アジアへ向かう旅が始まる時期だ。その様子が東京都内で観察できると聞いた。何年か前、ウイルスで実や葉に輪紋や斑紋を生じさせ、早期の落果や果実の変形を引き起こして、次々と樹に伝染するために見事な梅林が切られて残念で仕方なかったその辺りの上空。今年は雨続きの日が多かったが、晴れた翌日から連日何百羽…

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常滑朱泥茶注の名手 三代山田常山先生の思い出

知多半島は突き出た細い渥美半島と三河湾の海道をはさんで「常滑」と「渥美」という兄弟のような古窯跡が寄り添ってる。この常滑をはじめて訪ねたのは五〇年前のこと。伊勢湾を臨んだ知多半島西岸にある古い港町で、印象に残った常滑は、起伏の多い煙突の街だった。 かつて土管や焼酎瓶を石炭や重油で焼くための巨大な窯に五〇〇本ほどの煙突が林立し、晴れ…

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【人間国宝 三代山田常山展】   ~作品紹介~

朝晩の冷え込みが強くなってきました。昼夜の寒暖差が出てくると、お庭の花水木の実が赤く色付いてきます。それを覗きに窓辺に近づくと、金木犀の香りが風に乗って入ってきました。金木犀の香りにはリラックス効果、抗酸化作用、温中散寒や理気があるのだとか……。お湯で煎じるだけで戴ける桂花茶ですが、お煎茶を入れる際に生のお花を少し茶葉に混ぜて煎じると戴…

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魯卿あん便り~備前花入にみる造形美

魯山人先生が備前の作品を創られるようになったのは晩年のこと。昭和24年に金重陶陽宅に滞在し、陶陽先生、素山先生、藤原啓先生など錚々たる陶芸家が制作を補佐した。昭和27年にも陶陽先生の窯を訪問、今度はイサム・ノグチを同行してのことであった。 さて、『良い壺や花器はその用途を超えてまるでオブジェや立像の如きを想起させる』とよく言われるが、…

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「鵜の目 鷹の目」愛される浜本先生の斑唐津

秋の夜長、めっきり日の入りが早くなりました。涼しい秋の風を感じながら、お月見なども楽しみたい今日この頃でございます。今週は、唐津の浜本洋好展を開催しております。私が学生の頃、もう四半世紀も前になりますが、お世話になった方へのお礼として、浜本先生の汲出碗を選んだことを、ふと思い出しました。それは、今も先生が一途に作り続けられている斑唐津で…

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秋空の斑唐津 『唐津 浜本洋好展』より

天高い秋空に流れるような雲。気持ちのよい秋風と共に今年も「唐津 浜本洋好展」が始まりました。 朗らかな笑顔と元気な唐津弁、浜本先生にお会いするのを楽しみにしていましたが、コロナ禍の今年は残念ながら在廊は叶わず。それでもいつもと同じように、楽しみに待っていて下さる皆さんの為にと沢山の作品をご用意下さいました。「どれが良いか、…

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泰然自若

刻々と変わるはずの電光掲示板が、いつまでたっても表示されず空欄のまま。そんなことが起きたのは、昨日の東証。日頃、株価ボードの前でたたずんで値動きのチェックを怠らない紳士も、どうしたことかと驚いたことだろう。サイバー攻撃?と一瞬思ったが、その心配はなさそうで、単なるシステム障害、機器の故障が原因との発表に安堵した向きも多かったはずだが、取…

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陶房の風をきく ~唐津 浜本洋好展

ねっとりとした湿度に悩まされた夏から解放されて、秋空が気持ちのよい季節になりました。今日は朝から雨降りでしたが、途中から晴れ間も見えてきた東京です。今宵は中秋の名月です。綺麗に見えるでしょうか。さて、明日より浜本先生の個展が始まります。今年も唐津は台風が通り、暴風のため、先生の窯場のトタン屋根は1枚はがれ、もう1枚はパタパタと風にあおら…

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