【北欧モダニズムの器たち ベルント・フリーベリとオレフォス・ガラス】2週目 作品紹介

今年は梅雨明けが例年より遅く、関東では8月に入ってからになるのでは……と言われております。
本日も朝から局地的な雨があったようで、どこへ行くにも傘が手放せません。

さて、色とりどりの傘が花開くように、様々な色が飾ります【北欧モダニズムの器たち ベルント・フリーベリとオレフォス・ガラス】の展示会場。
ギャラリー北欧器さん共催のもと、始まりました展示会ですが、先週に引き続きもう一週間展示させて戴きます。

会場.jpg
会場

本日も、そんな会場の中から数点、作品をご紹介させて戴きます。


【Berndt Friberg (ベルント・フリーベリ) 】

左右対称に美しく引き上げられたそのシルエットは、どの角度から見ても洗練された印象的な形。
フリーベリは、タマゴや林檎のような自然美と、日本・中国・朝鮮の古陶磁などからインスピレーションを得て、まず、形を影のように黒く塗りつぶしたような“シルエットデザイン”で描いてから立体的な形を作られました。
仕上げに轆轤目を丁寧に削り滑らかな質感と共に追求された、その絶対的な確立した形は、一瞬で心を捉え、最初に描かれたその“シルエットデザイン”のように脳裏に焼き付きます。

そんなフリーベリの作陶スタイルを復習している中で、“林檎のような自然美”を反芻していると、ここのところ展示会場に活ける花材の中に木瓜の実や、花梨の実、ブルーベリーの実など、果実の花材が多く登場していることに気付きました。
また、それらを活けると、お花を飾っている時とはまた違った、お客様の反応があるように感じました。
皆さん、どこか吸い込まれるように寄って行き、ゆっくりと立ち止まって下さるような気がするのです。

そんなことを思い考えていると、かの有名な「アダムとイブ」のお話を思い出しました。
「アダムとイブ」とは、『旧約聖書』「創世記」に記された、神が創造した最初の人類である男女のこと。
天地創造では、神は6日間をかけて世界のすべてを創造したと記され、まずはじめに、光と闇を分け、空と海、草と木、太陽と月、鳥や獣を創造し、最後に神の形にかたどった男と女の「人」を創造したと言われています。
そして彼らを楽園に住まわせ、その土地を耕し、守るように伝えます。正し、楽園に実る果実は食べても良いが、善悪の知識の木の実だけは食べてはならないと約束して……。
しかし、アダムとイブの前に蛇が現れ、言いくるめられた二人は禁断の果実を口にしてしまい、楽園を追い出されてしまうというもの。

天地創造のお話が、嘘か誠かは分かりませんが、大事な約束を犯してまで惹き寄せられるような、不思議な力や魅力が、神様の作られた自然の形には備わっているのだと思います。
そして、それは人間である私達なら誰もが、魅力的に感じるものなのかもしれません。

132・114・6-1.jpg
132・114・6-2.jpg
132・114・6-3.jpg
132:花器(1964年制作)
114:花器(1954年制作) 6:花器(1958年制作)
淡いグリーンの夏虫色に、甘い淡黄色(たんこう色)や茶色の釉が花開くように浮き上がって流れています。
玉ねぎを思わせるような、美しい膨らみは、その微妙な色に覆われて静かな魅力を放ちます。

121・122・120-1.jpg
121・122・120-2.jpg
121:花器(1968年制作) 122:花器(1969年制作)
120:花器(1972年制作)
真っ丸の大きな水ナスのような豊かな膨らみを持った花器。

127・161・113・123-1.jpg
127・161・113・123-2.jpg
127・161・113・123-3.jpg
127:花器(1961年制作) 161:花器(1955年制作)
113:花器(1958年制作) 123:花器(1956年制作)
冬瓜のような優しい丸みを持った円筒型。
黄味の砂色と青みを帯びた灰青色の絶妙な色合いが何とも素敵です。

93・94・96・95・97-1.jpg
93・94・96・95・97-2.jpg
94:花器(1963年制作)
93:花器(1973年制作) 96:花器(1953年制作)
95:花器(1979年制作) 97:花器(1972年制作)
こちらは卵のような形の花器。
色合い、釉の描く禾目の模様、それぞれ違って面白いです。
4月に行われるイースター(キリストの復活祭)の時に飾る、色とりどりののオブジェのようです。

48-1.jpg
48-2.jpg
48-3.jpg
48:鉢(1969年制作)
まだ青いドングリの帽子をひっくり返したような鉢。
緑みを帯びたややくすんだ千草色(ちぐさ色)と黄味の砂色が混ざり合い、禾目が出ています。
その所々に、深い青色の斑が浮かんできていて、とても幻想的な雰囲気です。

41-1.jpg
41-2.jpg
41-3.jpg
41:鉢(1965年制作)
やや内に入った口造りと、キュッと窄まった少し脚の長い高台のせいでしょうか、こちらはどことなくキノコのような雰囲気の作品。
カフェオレのような象牙色から深い茶色へのグラデーションも穏やかで優しい印象を与えてくれます。

142・143・14-1.jpg
142:ミニチュア花器(1960年代制作)
143:ミニチュア花器(1963年制作)
14:ミニチュア花器(1967年制作 )
小さな青いミニチュアたち。
掌にいくつも乗せると、摘み取ったばかりのブルーベリーのようです。


【ガラス】
会場-6.jpg
会場
均整の取れたフリーベリの作品の中に、重厚的かつ流動的なガラス作品が加わって、何とも面白い展示会場となっております。

【Edvin Öhrström (エドヴィン・エールシュトレム)】

36-1.jpg
36-2.jpg
36-3.jpg
36:鉢(1956年制作)
淡いブルーグリーンのガラスに、深い深いバーガンディー色(※)の四角いモチーフが並びます。
よく見ると、モチーフの周囲や中心に空気が一緒に入って、立体的な模様になっているのが分かります。
※バーガンディー色……ワインレッドより暗い紫みの赤色


【Edward Hald(エドワルド・ハルド)】

37-1.jpg
37-2.jpg
37:鉢(1955年制作)
グラール技法を用いた四角く浅い鉢。
灰皿などにもお使い戴けそうな作品となっております。




並べて置いた作品の集合体は、鉢の口が波打ち、美しい自然美を模した曲線の花器のフォルム、それを所々締めるように陶磁器のような直線と曲線を組み合わせたようなシャープな印象の作品が並び大変心地の良い空間となっております。

また、厚みを持ったガラスからは、色や柄が、空気を含むそれぞれの技法により3Dのように立体的かつ、複雑に透けて浮かび上がって来て大変面白いです。


お近くにいらした際は、是非お立ち寄りくださいませ。




共催
ギャラリー北欧器
http://hokuouki.com/index.html

(葉)



【北欧モダニズムの器たち ベルント・フリーベリとオレフォス・ガラス】
Exhibition of Berndt Friberg and Orrefors Glass
開催期間:2020年7月17日(金) ~ 2020年7月28日(火)
休業日:23日(木)
Exhibition : July 17 to July 28, 2020
11:00~19:00

Berndt Friberg
ベルント・フリーベリ

1899 スウェーデン ホガナス生まれ。
1912 13才で作陶助手として働き始める。
1934まで 轆轤職人として下積み時代を過ごす。
1934 グスタフスベリ製陶所に籍を置く。
   巨匠ウィルヘルム・コーゲ氏に師事。
1941 独立





新型コロナウィルス感染拡大防止の為、本展では案内状掲載外にも追加作品をホームページ上でご紹介しております。
オンライン展示会【北欧モダニズムの器たち ベルント・フリーベリとオレフォス・ガラス】
Exhibition of Berndt Friberg and Orrefors Glass
https://www.kurodatoen.co.jp/exhibition/20200717/
※写真掲載外にも多数出品がございます。
※今後の政府・東京都の政策方針により変更になることがございます。







 京橋 魯卿あん 
 Rokeian
〒104-0031 中央区京橋2-9-9
TEL: 03-6228-7704 FAX: 03-6228-7704
http://www.kurodatoen.co.jp/rokeian/
営業時間:11:00~18:00 定休日:日曜日・祝日
※無断転載、再配信等は一切お断りします

黒田草臣ブログはこちら
Twitterページ こちら
Facebook ページはこちら
Instagram ページはこちら
しぶや黒田陶苑のホームページに戻る