美に触れる 『ひとりたのしむ 昭和巨匠陶藝逸品』より

13.jpg花:鉄線

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No.2 川喜田半泥子先生 竹花入 銘 其まま   詳細はこちら


久し振りにお会いするお客様方のお顔を拝見する度に、少しずつ日常が戻っていることを実感し、嬉しく思います。ようやく美術館なども再開を始め、当苑にもその帰り道に寄って下さったというお客様もいらっしゃいました。
「美術品」という言葉にすれば、美術館に赴き、ガラス越しに眺めるもの、と考えていらっしゃる方も多いかも知れません。
ですがそのガラス一枚を外すだけで、作品の印象が全く変わるのも事実です。
茶碗であれば手に取り、花入であれば花を生け、絵画であれば小さくとも空間を作り、ご自宅の中で作品と一人向き合う時間は所謂美術館では体験出来ないものではないでしょうか。


『ひとりたのしむ 昭和巨匠陶藝逸品展』。年に二度当苑が選ぶ巨匠作家達の逸品をご紹介する本展示会。
今回もこうした状況下ではありますが無事に開催することが出来ました。

職人、陶工の作が一般的であった時代から、作家が生まれ、そして他の分野と時に競い合い、時に融和しながら創造的な作品が次々に生まれて行った昭和。この時代を駆け抜けた多くの巨匠たちが、現在の陶芸界を築き上げたと言っても過言ではないでしょう。




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No.29 鈴木藏先生 志野花器 

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6.jpgNo.30 鈴木藏先生 織部大皿   詳細はこちら






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8.jpgNo.31 鈴木藏先生 志野大皿   詳細はこちら

布目の痕と、白い長石釉、濃淡を変えた鬼板のコンポジションがモダンな作品。大皿であるが、同時に軽やかな印象もあり、まさに現代の志野と言えるでしょう。




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No.12 河井寛次郎先生 呉須泥刷毛目扁壷   詳細はこちら


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軸:柳宗悦先生 美之法門

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No.32 江崎一生先生 小壺   詳細はこちら




21.jpgNo.23 黒田辰秋先生 赤漆四稜棗   詳細はこちら
志村ふくみ先生 出袱紗

辰秋先生の作品は小品であっても線が力強く、造形が痩せることがありません。トレードマークのような四稜棗は茶室でも新鮮さを持って愉しめますが、ホワイトキューブのような空間でもその姿の美しさを感じて戴けると思います。



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No.5 金重陶陽先生 備前擂座花入   詳細はこちら




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No.33 金重陶陽先生 備前三角花入   
※詳細はお問合せ下さい

備前の肌は本当によく草花を生き生きと見せてくれます。涼し気な白色の花を三種。一株からピンクと白の花を咲き分ける「源平下野」。勿論これは源氏の白旗、平家の赤旗に由来するもの。少し赤の花が咲き始めています。
夏の花の「九蓋草」は何段もつく葉からこの名前が付いたとか。


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花:上から 蛍袋(ホタルブクロ)・九蓋草(クガイソウ)・源平下野(ゲンペイシモツケ)


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決して殊更主張し過ぎる様な窯変ではありません。自然でありながら、草花をそっと引き立て、花を生けはじめて完成するような花入。表面に水を含ませるとさっと鮮やかな赤味が増します。足元の箆目もよく効いています。陶陽先生が自信作に書いていたと言われる「壷心庵」の箱書。



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No.6 金重陶陽先生 備前緋襷福耳水指



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No.27 楠部彌弌先生 彩埏柘榴盒子   詳細はこちら

楠部彌弌先生によって考案された「彩埏」の技法。顔料を混ぜた磁土を塗り重ねることで生まれる柔らかな色合いは、独特のたおやかな空気を纏っています。大ぶりな素地と相まって品格のある作品。




長期の外出自粛期間に、日々の生活の根幹にある衣食住のことをよく考えていました。それはこれまで当然第一に考えるべき話題でありながら、日常の些末な忙しさに気を取られ、真剣に考えていなかったことでもあります。
個人的な願いではありますが、美術というものをそうした生活の根幹のほんの片隅であっても、必要不可欠なものとして捉えていただきたい、そう思っています。美術品の良し悪しは金額では決してありません。しかし、厳しい眼で選ぶことは必要です。使いやすさだけではない「美しくも用いたいもの」。当苑の選ぶ作品に、皆様の琴線に触れる作品がひとつでもあればこれほど嬉しいことはありません。

『ひとりたのしむ 昭和巨匠陶藝逸品』。来月7月7日まで少し長い会期で開催しております。是非お時間ご都合宜しい折に、ゆっくりとお立ち寄りください。
また今回の展示会では「オンライン展示会」として図録作品をいくつかの角度から撮影し、ご紹介しております。遠方にお住まいのお客様、お立ち寄りになれないというお客様もご高覧戴けましたら何よりでございます。



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【ひとりたのしむ 昭和巨匠陶藝逸品展】

2020年6月22日(月) ~ 2020年7月7日(火) ※6月28日(日)、7月2日(木)定休
11:00 - 19:00
於:しぶや黒田陶苑





また、現在京橋店「魯卿あん」では今月末まで『魯山人と古美術』展を開催しております。かつて北大路魯山人先生が古美術店「大雅堂藝術店」そして二階に「美食倶楽部」を開かれていた址地にある「魯卿あん」。その場所で魯山人先生の作品と、先生の箱書きなどゆかりのある作品、また私共の選びました古美術作品を横断した展示会です。併せてご高覧下さい(こちらもオンラインで全作品ご紹介しております)。

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No.13 北大路魯山人先生 ミしま水指   詳細はこちら



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No.30 鶏龍山茶碗   詳細はこちら



【魯山人と古美術】

2020年5月22日(金) ~ 2020年6月30日(火) ※日曜・祭日定休
11:00 - 18:00
於:魯卿あん (京橋店)






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