大酒器展   ~作品紹介~

今週は「成人の日」からの始まりとなりました。
自身の晴れの日は随分と昔のことになりますが、「成人の日」を迎えるたびに、今でも自分が袖を通すお着物を選びに鎌倉の着物屋さんに両親と出向いたのを思い出します。
何本もある反物の中から気になったものを次々と体に当てて雰囲気を確かめます。どの反物も素敵でしたが、一つだけ、体に当てた瞬間に“これだ!”と感じるものがあり、それと同時に鏡越しに見る自分の表情さえ柔らかなものに変化したのでした。

さて、今週の金曜日からは、毎年皆様が愉しみにしてくださっております『大酒器展』が始まります。
32名の現代作家から、物故・巨匠に至るまで、数多くの作品が並びます。
本当に出会いは一期一会。
数十年前に私が出会った着物のように、ひとつ、ひとつ手に取ってご覧戴けましたら“これだ!”と感じるご自身に合った作品と出会えるかと思います。
皆様の“これだ!”という嬉しい表情の変化に立ち会えましたら幸いに存じます。

では、作品の一部をご紹介させて戴きます。


【巨匠】
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加野田章二 : ぐいのみ
乾いたような肌土に白い石粒が浮かぶ。
細い櫛で引かれた細線の際には艶やかな釉の線が並走している。
その線と線の間に入る線は、マットな釉を使い、見え方に抑揚をつけている。
ささやかなその変化は、手に取った者だけが知ることが出来る特典のよう。


【現代作家】
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十三 代三輪休雪
2:淵淵盃 / 5: 淵淵盃
昨年、「十三 代三輪休雪」をご襲名されてから初の出品となります。
勢いよく削り取られて作られた形に、釉が薄めに掛けられている。
近くで見て戴くと、釉の表面に貫入が入り、古色が入ったような味わい深さを感じる。
「雪」を崩した新たなサインもご覧ください。


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岡晋吾
9:染付高台盃 / 10:瑠璃染付ぐい呑
柔らかなブルーの染付が、お酒をまろやかにしてくれそう。

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1:刷毛目鉄絵徳利 / 3:斑黒打盃
上の染付とは打って変わった、力強い鉄絵の徳利や斑釉の作品などもご用意がございます。


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佐々木文代
6:ドットの酒器 / 7:ドットの酒器
漆の作品のように見えますが、磁器ものの作品。
盃の中にある大きなドットが、夜空に浮かぶ月を映し出しているよう。


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福野道隆
1:布目黒彩陶酒盃 / 5:布目藍彩陶酒盃
例年並ぶ矢羽の柄に加え、北欧の森を図柄にしたような盃が並びました。


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新里明士
3:光盃 / 1:光盃
新里先生ならではの光盃。
図柄を変えて幾つかご用意戴いています。


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江波冨士子
5・1・2:花の庭お猪口
春を先取りしたような可愛らしい小花のお猪口。
お酒が苦手な方はハーブティーなどを召し上がるのもいいかも。


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小西潮
3-4:レース盃 / 2-5:レース盃 / 1-2:ひさご徳利
小西先生のレース柄。
徳利にすると膨らんだ部分と、くびれた部分で表情が変わって面白い。


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津田清和
1-3・1-1:金彩面取酒呑 / 6:瓢酒瓶
やや小ぶりな瓢の酒瓶と、いつも人気の小さな面取りの酒器。
美しい影も魅力のひとつ。

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2-2・2-5:艶消藍鎚目丸酒呑 / 3-1:艶消藍鎚目丸片口
淡い薄墨の酒器は、鎚目による細かな陰影が海に潜った時のような神秘的な雰囲気となる。


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正木春藏
4-2・4-1:呉須赤絵花鳥文平盃 / 3-1:色絵牡丹文徳利
なかなかお目にかからない正木先生の徳利。
可愛らしい福の字の入る平盃とあわせて……。

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2-1:染附松竹梅六角酒呑 / 1-1:祥瑞風酒呑 / 2-2:染附松竹梅六角酒呑
古いやきものを模したような味わい深い絵付けの作品。
素地の部分と、筆を入れる部分のバランスが絶妙的で素敵です。

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升たか
5:色絵バテック草花紋杯 / 3:色絵動物紋杯
今回は空飛ぶ鳥の羽根が舞い降りて来たよな、新しい図柄が加わりました。

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隠﨑隆一
5:備前混淆酒呑 / 3:混淆黒酒呑 / 7:備前混淆酒呑
“混淆”とは異種のものが入り混じること。
備前土に新たな土を混ぜたものでしょうか……。
“混淆”と名の付く作品の中でも、見え方は様々。
是非、手に取ってご覧くださいませ。

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丸田宗彦
2:絵唐津扁壷徳利 / 7:絵唐津ぐい呑
小振りの絵唐津の徳利には石ハゼが入って風情がある。

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8:粉引唐津ぐい呑 / 3:粉引唐津扁壷徳利
こちらもやや小振りの徳利。
小さな木の実が、雪降る中に耐え忍ぶよう。

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松永圭太
4:甲 / 1:甲 / 10:blow / 9:blow / 5:甲
様々な種類の作品をご用意戴きました。
並べると、枯れた木の葉の中に、木の実が爆ぜて転がっているように見えてくる。

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金重有邦
4:伊部ぐい呑 / 2:伊部瓢徳利
少し荒い土を使った作品。
土を引き上げる時に付いた流れるような痕も、カセた肌も存分に愉しめる作品となている。

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鈴木都
ss-4:赤志野ぐい呑
赤くカリッと焼き上げられたぐい呑。
高台側に返すと、柔らかな土が見える。

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高力芳照
3:備前窯変酒呑 / 1:備前窯変徳利
深い薄墨色に変化した土に、ハッとする緋色の抜け。
轆轤目の波の上はカセた肌となり、愉しませてくれる。

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田中佐次郎
1:ルリ天目盃
深い漆黒の闇のような紫色に、美しい赤や淡い青藤色が浮かび上がる。
オーロラのような神秘的な雰囲気となる。

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伊藤秀人
1:青瓷盃
何とも上品な盃。
小さな中に広がる伊藤先生の青瓷を余すことなく愉しめる。

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見附正康
1:赤絵細描葉紋徳利
何とも緻密な手技から生まれる作品。
今までになく、二色のブルーの点がアクセントとなって、見事に並ぶ柄行が際立っている。

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3:赤絵細描網目小紋角盃
これもまた新しい作品。
四角い升型の形は対の二面が斜めに区切られ全く違う柄行を配置することで、互いの図柄を引き立てあい、面白さを増している。
見込みに入る細かな図案も嬉しい。

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2:赤絵細描花紋平盃
こちらも葉っぱの重なりのような美しい柄。
繊細な仕事はいつ見ても溜息が出るほど美しい。




今回は、個展などのご予定がない先生等を中心に作品のご紹介をさせて戴きました。
どの先生方の作品も力の入った作品ばかりが並びます。
皆様に“一期一会”の作品の出会いがありますように、ご来苑をお待ちしております。



【出品に関してのお知らせ】
お客様よりお問い合わせを多く戴きました「大酒器展」出品の瀬戸毅己先生見附正康先生の作品について、お知らせとお願いです。
出品作品数は下記の通りでございます。

 瀬戸 毅己    酒盃3点
 見附 正康    徳利1点・酒盃2点

混乱を避ける為、ご来苑戴きました上記の作品をご希望のお客様のみ、開店時間 午前11時 より整理券の順番に承らせて戴きます。
(午前10時50分頃より整理券をお配りいたします。)
※見附正康先生、及び 瀬戸毅己先生の作品は、先着にて、お客様お一人につき、いずれか一点のみ、ご予約をお受けいたします。

予めご了承戴き、ご協力戴きたく存じます。
どうぞ、宜しくお願い申しあげます。




※尚、図録、DM掲載外の作品に関しましてはご予約は承れません旨、予めご了承下さいませ。
(葉)




 大酒器展  
Exhibition of Tokuri & Guinomi
開催期間:1月17日(金) ~ 1月28日(火)
休業日:23日(木)
Exhibition : January 17 to January 28, 2020
11:00~19:00

出品予定作家(敬称略五十音順)

伊藤秀人 / 今泉毅 / 内田鋼一 / 江波冨士子(硝子)/ 岡晋吾 / 隠﨑隆一
加藤亮太郎 / 金重巖 / 金重まこと / 金重有邦 / 菊池克 / 小西潮(硝子)
佐々木文代 / 鈴木都 / 瀬戸毅己 /高力芳照 / 田中佐次郎 / 津田清和
直木美佐 / 新里明士 / 深見陶治 / 福野道隆 / 堀一郎 / 前田正博 / 正木春藏
升たか / 松永圭太 / 丸田宗彦 / 見附正康 / 十三代三輪休雪 / 矢野直人 / 若尾経
他物故巨匠作家

※第二部として2020年2月3日(月)~15日(土)「魯卿あん」(京橋店)にて『酒器特集展』(物故・巨匠作家作品)を開催致します。
※現代作家の新作酒器展示販売は「しぶや黒田陶苑」での展示のみですので、ご注意くださいませ。休業日:2月9日(日)・11日(火)





 京橋 魯卿あん 
  Rokeian
〒104-0031 中央区京橋2-9-9
TEL: 03-6228-7704 FAX: 03-6228-7704
http://www.kurodatoen.co.jp/rokeian/
営業時間:11:00~18:00 定休日:日曜日・祝日

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