文殊菩薩

思わず首をコートの襟の中に沈める日が、ほとんどない冬。今朝は、昨日の温かな陽気からグッと気温が下がって、首をカメのように引っ込めた。寒いのは得意ではないくせに、朝のあの空気感は好きだ。ピリッとして、澄んでいて夏の膨張したような粗い空気ではなく、ひとつひとつの粒子が細かく皮膚に触れる気がする。だから、冷たい空気で顔を洗ったように、寝ぼけ眼がパッと開く。ついでに、気持ちの背筋もちょっぴり伸びるようで好きだ。


この季節になるとやって来る『ひとりたのしむ 昭和巨匠陶藝逸品展』。二週続けての展示ですので、ご都合の良い時にお運びください。

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こちらは三輪龍作先生のコーナー
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先生の著作も置いております。
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見開きが目の覚めるようなゴールドで龍が浮かび上がります。
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店の奥のスペースにもお軸を飾っています。
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軸: 富本憲吉 「陶心」


隣の部屋には、滝口和男先生のコーナーが。
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いつ見ても、微笑ましい作品とタイトルに、思わず笑みがこぼれます。
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「障害を乗り越えて」


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「宇宙へ疾走」


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「心までもスイングして」


今週の花

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軸: 石黒宗麿 「寿山福海」
花器: 金重陶陽 「備前旅枕花入」
花: キササゲ・加茂本阿弥(かもほんなみ)

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キササゲ

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加茂本阿弥(かもほんなみ)
白椿の王様と言われている椿で茶花によく用いられる。開くと大きな一重の白い花が黄色いしべ、濃い緑色の葉とともに色のコントラストが美しい花です。

もう1ヶ所活けております。
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花器: 金重道明 「伊部耳付花入」
花: 山香ばし(やまこうばし)・乱れ菊

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山香ばし(やまこうばし)

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乱れ菊


展覧会に行って、毎度買い控えようと思いながら、つい買ってしまう絵葉書。筆まめな友人がいて、季節やわたしの好みを考えて、よく送ってくれた。忙しくなって回数は減ったが、時々送られてくるのは、彼女らしい選択の数々。そんな友に応えようと、喜んでもらえそうなのや、気に入った図柄を12枚と買っているうちに数も増えた。そんな葉書を入れている箱の一つを整理したら、思いのほか前田青邨のものが多くあるのに驚いた。牡丹や梅、桃の花、富士山、何度も観た「洞窟の頼朝」等々。

いずれにしても、青邨と言えば自分の中では日本画家のイメージ。今回、展示されている「稚児文殊」。こういう作品もあるのかと、とても新鮮だった。

文殊菩薩と言えば、知恵を司る菩薩。獅子に乗っている姿の像が思い浮かぶが、青邨は、菩薩ではなく二人の小さな子供をまたがらせた。手びねりで即興で作ったかのように思われる作品。あの「洞窟の頼朝」や「腑分け」、「出を待つ」のように、その場の緊張感をストップモーションで見せてくれたような作品とは違って、なんとほのぼのとしていることだろう。

と同時に、次第にこうも思えてきた。勉学や修行・経験で知恵を持つのではなく、はかりごとや邪心のない純粋な心で物事を判断できる稚児のような知恵こそ真のそれだというアンチテーゼかもしれないと。  


(藤)


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