馴染む

気が付けば、カレンダーは10月。厚みの少なくなった紙をめくると残り2枚になっている。今月は紅葉の山だけれど、12月はもう雪景色。以前ほど、衣替えと叫ばれなくなったものの、10月と聞けば、服に徐々にウール素材の割合が高くなってくる頃。朝、肌寒く感じて、薄手のウールを引っ張り出して着てみたものの、日中の暑さに後悔がよぎる。そんな訳で、季節を先取るショーウィンドーのコートを横目に、夏と秋の入り混じったどっちつかずの服装となる今日この頃。

本日より『唐津 浜本洋好展』がスタートしました。御年81才になられる先生は、去年と変わらぬ背筋のしゃんと伸びた姿でいらっしゃいます。自虐的にご自身のお身体のことを話されますが、どうしてどうして、ハードな窯焚きを毎年何度かされて、作品をお作りになる先生は、我々とは比べられないほどの基礎体力が備わっていらっしゃるのでしょう。

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今回も、沢山の作品をお作り下さっています。どうぞ、先生の力作をご覧になって、秋バテを吹き飛ばしていただきたいと思います。


今週の花

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花器: 朝鮮唐津花入

花: カヤ・シュウメイギク・ホトトギス

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ホトトギス

ホトトギスの紫色の花が可憐。


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花器: 朝鮮唐津花入

花: キイジョウロウホトトギス・草牡丹

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イジョウロウホトト

蝋引きしたような花の色が冴えて美しい。

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草牡丹

花の綿毛のガクが、実を守るマントのように手を広げているよう。


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花器: 斑唐津花入

花: キキョウ・丁字草(実)

茶色くなり始めた丁字草の実と白いキキョウの花が秋の風情を物語っています。


なかなか馴染まないものというのが、時々ある。気に入って買ったのに、なんだかしっくりこない。思い入れがあって手元に置きたかったはずなのに、何か違う。落ち着かない。それは、服だったり、持ち物だったり、置物や器や、目視出来ない音や味…とにかく何にでも当てはまる感覚ではなかろうか。

それとは逆に、自分には似つかわしくない、最初のうち、自分らしくない…と思って手に取ったものが、次第に馴染んでくるものがある。第三者の視点でそう判断されることもあるが、おのずから自分でじんわりと感じてくる。さざ波のように、ひたひたと気持ちにス~っと入って来ていて、気が付くと安堵感や幸福感で満たしてくれている。

昨年、浜本先生の片口を買わせていただいた。アルコールが体質に合わないと以前病院で言われた自分にとっては、本来の使い方をしないであろうものだ。本当は、とても気に入った湯呑があったのだが、個展初日にお客様の手に渡った。その斑唐津が、あまりにも美しく、あきらめきれずに記憶していた似た作品を探したら、その片口になったのだ。

お酒を嗜む方の元で、お酒が入って、毎晩使い込むうちにその変化を楽しむことができない自分にはどうかなと思いつつ、家に連れて帰った。

しばらくは、飾って鑑賞用になっていた片口(笑)。ある日、煮豆が食べたくなって、久しぶりに圧力鍋でなく、コトコトと丁寧に煮てみた。思いのほか美味しく煮あがり、ふと先生の片口によそってみた。淡いブルーに包まれた金時豆は一層つややかに色が冴えて、普段と違うよそ行きの顔になって収まった。以来、きゅうりとタコの三杯酢やザーサイの和え物、きゃらぶきの佃煮、ミニトマトのピクルス等々、すっかり我が家のテーブルによく登場する器となったのは言うまでもない。

お酒が入らなくて、ご本人は理不尽な扱いに少々ご不満かもしれないが…。



(藤)


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