水瓶 すいびょう

いまだ梅雨明けのニュースも聞かれない日々が続いています。おかげで、洗濯物は常に生乾き。曇りでもありがたく、雲間の隙間から束の間顔をのぞかせた太陽が見えればシーツやバスタオルをこれでもかと引っ張りだす。太陽が出てもせいぜい一日。翌日はまた梅雨空に戻る繰り返しが、いつまで続くのか、まさに神のみぞ知るこの夏である。

そんな鬱陶しい気分を払拭してくれるように金曜に始まりました『硝子 津田清和展』。初日に沢山のお客様がお目当ての作品をお持ち帰りになりました。ですが、まだまだ魅力的な作品が店内を飾っています。25日(火)まで会期がございますので、雨も心配されますが、どうぞお運びくださいませ。


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青と透明のガラスの対比が美しく並びます。

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花入・酒瓶はこちらに。

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38 丸酒瓶 B

8 薄墨金縁面取酒呑

お盆に酒瓶とぐい呑をセットすれば、すぐさまキ~ンと冷やした冷酒で一杯という舞台装置が整います。


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奥 : 9 白瑠璃碗 / 手前 : 10 鎚目碗

目にも涼やかな硝子の碗。今だ来ぬ遠い夏空を透かしてみながら、お茶を味わいたい気分になります。


そして水瓶。細長い首とふっくらとした胴を持つその硝子の容器。首は華奢に見えるけれど、下方の形状によって安定感を感じます。

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45 : 水瓶 B

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48 : 水瓶 E

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大小二つの水瓶が並ぶと、さながらお雛様のお内裏様とお姫様のようにも、親子、兄弟のようにも見え、微笑ましく目に映ります。

「水瓶 すいびょう」
この風雅な呼び名を久し振りに耳にした気がした。観音菩薩がよく手にしているのがそれ。中にはただの水ではなく、それを降り注ぐと穢れが消える特別な液体が入っているのだと聞いた。功徳水とか甘露水と呼ばれる特別な水。
観音菩薩像は幾つもの寺や仏像展でかなり観ているが、とりわけ印象深く心に残っている像がある。滋賀県の向源寺で観た十一面観音立像。腰を少し左に曲げ、左手に水瓶を持つ実に優美な姿は思わず拝みたくなるような神々しい雰囲気を漂わせていた。観音様は現世利益をもたらすのだそうな。しかし、その時、ご利益がいただけなくとも、その姿を拝見出来たことを幸運だと頭の芯から思った。

津田先生の清らかな透明の水瓶に何を入れるだろう。灼熱の温度を持った炎から生まれ、今は涼しい顔で佇んでいるその硝子。黙して語らぬその姿は、やはり水を入れたとしても、閼伽となり得るのではないかと思えてくる。


(藤)


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