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zoom RSS 魯卿あん便り…後世に残る名品

<<   作成日時 : 2019/01/14 17:39   >>

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幼少期、決して裕福ではない生活をされていた魯山人先生は料理において、食材に余すところを出さなかったという。その精神や発想の賜物である代表作が銀彩作品である。
戦後備前焼の仕事に力を入れていた先生。窯から出すまで、上がりが分からない備前焼。仕事場である無境庵の軒下には、景色の少ない作品や傷物が、処分さられずに積み上げられていた。ある日、それらがきれいになくなっていた。数日後、上絵付を焼く錦窯に入れられ、銀彩として再生されたのだ。

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銀彩トビ釉花入 共箱 (価格はお問い合わせください。)

私は正直、この話を知った時に銀彩でないにしても何故同じ様なことをする陶芸家はほとんどいないのだろうかと思った。実はこの再生工程がとても大変なのである。
焼く際には、湿気を減らす為に先ず空焚きを三時間した後、この熱い状態で上から軍手をはめて作品を詰めていく。棚板の上に三つ足のトッチンが置かれ、その上に作品を丁寧に置いていく。詰め終わると窯の上に耐火板で蓋をする。そこから4時間ほどかけて800度くらいまで上げる。温度計は使わず、すべて魯山人先生の勘がたよりだ。取り出しやすいところにある色見を弟子が取り出し、窯の火を止めるタイミングを先生に問う。その色見をみて、思うように溶けていれば、錦窯の焚きは終了し、一気に薪の熾きをかい出す。こうしないと余熱で色絵が焼きすぎてしまうそうだ。

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これに加えて釉薬にも拘られている。現在では銀彩を表現する上でパラジウムなどの代用品を用いる。また本銀を使う銀彩には白玉とよばれる含鉛ガラスを溶媒として使うことがポピュラーである。ところが、魯山人先生は白玉を10%から15%入れ、その他に日本画の岩彩絵具である岩紺青を20〜30%入れた。白玉だけだとアルミニュームのように金属的に光ってしまうことから、この様な工夫が施された。また銀彩の風化(酸化)を和らげるために、純銀のほかに純金や白金、プラチナなどをブレンドした。

もしも、ただ焼き損じた物に銀彩を塗って焼き直しただけであったら、今も尚人気を集める名品にならなかったと思われる。再生というよりも新たに作品を生み出し、感動を与えようという姿勢を感じる。

(観)

京橋 魯卿あん  Rokeian
 〒104-0031 中央区京橋2-9-9
 TEL: 03-6228-7704 FAX: 03-6228-7704
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