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zoom RSS 北欧モダニズムと遊ぶ ベルント・フリーベリ展

<<   作成日時 : 2018/07/25 22:49   >>

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暑い、暑いとぼやく毎日ですが、同時に冷房に当たり過ぎて気だるさが抜けない日々でもあります。
先日、冷房の風に冷え切った体で閉店後のゴミ捨てで外に出た時の少し落ち着き始めた暖かな風に身をゆだねながら見上げた空。
美しく青い空に、桃色に染まった雲、ぼんやりと色づき始めたお月様が同時に目に飛び込んできて、思いがけない贅沢な一時になりました。

さて、今週の金曜日からは、先日の美しい空のように一言では語れないようなノスタルジックな色の作品群が並ぶ『北欧モダニズムと遊ぶ ベルント・フリーベリ展』が始まります。
一昨年は『北欧モダニズムと出会う』と題して。
今年は、ワンステップ進んで『北欧モダニズムと遊ぶ』として、ギャラリー北欧器さん共催のもと開催致します。

フリーベリ作品の愉しさと言ったら、何と言っても「色合い」「釉薬の表情」「美しい曲線美」「見立ての愉しみ」「ミニチュアに見る巧みな技術と世界観」。
フリーベリの持つ、そんな素敵な世界を感じて戴ければ幸いです。



「色合い」「釉薬の表情」
フリーベリ氏は、1920年代中頃から書き溜めた「黒い本」と言われる釉薬調合ノートを作っており、グスタフスベリ製陶所の恵まれた環境を生かして、一般的な鉄、銅、コバルトと言った酸化金属だけでなく、ウランやチタンなどの呈色剤として釉薬に使用していたそう。
マットな質感の表面には釉薬が窯変し、ウサギの毛並みのような「兎毫(とごう)」=「禾目(のぎめ)」が浮かび上がります。
これらの窯変は、釉薬の原料を一度熔解させガラス状にし、粉砕した破片を用いる研究と工夫が繰り返し行われ、この工程を踏むことにより、薄く、均一な質感を保ち、クリアな色彩が得られたそうです。

※細かい線条文は、釉薬が窯の中で溶けて流下して現れ、焼成後に冷却する過程で酸化鉄の結晶が析出することにより生じます。

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ブルー・キャメル・イエローの世界観
フリーベリの魅力は美しい色合い。
微妙な色合いの変化が心地よく映ります。

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118:鉢
ウサギの毛並みのような「兎毫」と言う表現がピッタリの鉢。
風が当たるとフワフワと動き出すのではないかと思うほど、美しく禾目が入ります。

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11:花器
夜風に吹かれるチョコレートコスモスのような窯変の流れが出た花器です。

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1:花器
釉薬を二重に掛け、色味を掛け合わせることで様々なニュアンスのある色味を生み出しているフリーベリ。
この複雑な色合いも、そんな色彩の冒険から生まれています。

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098:花器
その背の高さを生かしたグラデーションの花器。
深みのある色合いが落ち着きをもってお花を受け止めてくれそうです。



「美しい曲線美」
タマゴや林檎のような自然美と、日本・中国・朝鮮の古陶磁などからインスピレーションを得て作り出す形は、まず、形を影のように黒く塗りつぶしたような“シルエットデザイン”で描かれました。
それは仕上げに轆轤目を丁寧に削り作られた滑らかな質感と共に追求された絶対的左右対称性にも表れています。どの角度から見ても美しく洗練された形は、フリーベリが残したシルエットのデザイン画のように我々の心に印象的に焼き付きます。

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35/36/32:花器
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80:花器
卵や林檎と言った自然美から生まれた形。
思わず掌を添えて撫でてみたくなるような愛着が自然と生まれてきます。

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093:花器
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056:平鉢
これらは古い古陶磁からのインスピレーションから作られた形だろうか。
均整の取れたシルエットに見とれてしまいます。

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115:鉢
大きく波打つ口縁は見る角度によってうねりの強さを変え、愉しませてくれます。

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063:小鉢
こちらは上と打って変わって、繊細に細かく輪花が入る、大変珍しい形。



「見立ての愉しみ」
北欧のやきもの。
もちろん、フリーベリ自身がお茶道具や酒器を目的として作ったわけではありません。
ここは我々日本人の“見立ての心”を発揮して様々な愉しみを見つけてるのはいかがでしょうか。

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111:鉢
見込には市松模様が浮かびあがり、外側は口縁から下が茶色色を変化させた面白い鉢。
日本の伝統の柄でもある市松模様には“途切れることなく続いて行く”ことから、子孫繁栄などの意味があるそうです。そんなことからも、大事なお席での一服に使ってみるのは如何でしょうか。

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117:鉢
今が旬の桃の果実のような優しい色合いの鉢は、お抹茶茶碗としても、またカジュアルにカフェオレボウルにもして戴けそうな手に取りやすい雰囲気です。

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120:鉢
手頃な大きさの鉢は、お料理も盛りつけやすそうな大きさです。

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130・108:鉢
美しい青空の様な鉢は、ちょっとした向付にも、汲出しにもして戴けそうな大きさ。

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125:蓋付鉢
こちらも大変珍しい蓋付きの鉢。
シュガーポット等にしてみるのも面白いかもしれません。



「ミニチュアに見る巧みな技術と世界観」
身長が2メートルもあったとされるフリーベリ氏。
さぞや手も大きかったでしょうに……驚くべき小さなミニチュアの作品を作られています。
その卓越された技術はスウェーデン国王の目にも留まり、特に指先に乗るほどの小さな陶磁器は「器の宝石」と称されたと言われています。

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奥左から 127・128・129:ミニチュア花器
点前左から 038:ミニチュア鉢 / 126:ミニチュア花器
どんなに小さくても他作品と同じクオリティーを保つ技術は圧巻です。

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030:花器
こちらはミニチュアではありませんが、横に平らに張り出した胴の作りも大変珍しく、また、この形状を保って焼き上げるのは技術があってからこそ。





どこか香ばしいような温かな雰囲気を醸し出す世界観。
そんな心温まる世界をどうぞご堪能下さいませ。





(葉)







北欧モダニズムと遊ぶ ベルント・フリーベリ展

Exhibition of Berndt Friberg
開催期間:7月27日(金) 〜 8月7日(火)
Exhibition :July 27 to August, 2018
休業日:2018年8月2日(木)定休
11:00〜19:00



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会場



共催
ギャラリー北欧器
http://hokuouki.com/index.html




【陶歴】

ベルント・フリーベリ
Berndt Friberg


1899    スウェーデン ホガナス生まれ。
1912    13才で作陶助手として働き始める。
1934まで 轆轤職人として下積み時代を過ごす。
1934    グスタフスベリ製陶所に籍を置く。
       巨匠ウィルヘルム・コーゲ氏に師事。
1941    独立



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