松永圭太先生の酒盃

オブジェかと見紛うような造形です。山の稜線のようなライン、どの角度から見ても表情が変わるフォルムがとても美しい酒盃です。 その、塊の原土を半球状の石膏の型に押し付ける圧によって作られたフォルムは、眺めていると どこかで見たような懐かしい思いに駆られます。 去年のYAKISHIME展でご紹介した大きな作品は、まるで木の実の殻花…

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魯卿あん便り…天才と精鋭達が生み出した逸品

類まれのないセンスを芸術活動に発揮された魯山人先生。星ヶ岡茶寮では顧問を務め政財界も注目する人気店へ確立させた。経済的な観念の乏しさと横暴な行動は次第に経営者の中村竹四郎とのすれ違いを生み、昭和10年ついに決裂し作陶一筋の道へと進まれた。職人たちを抱えての窯業経営は大きな困難が予想された。しかし多くの後援者から贈答品などの注文を得て…

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「鵜の目 鷹の目」 富本作品、時代を経て令和に

三月は桃の節句、華やかな季節の到来です。先週に引続き 「陶藝家の父 富本憲吉展」を開催しております。明治に生まれ、大正、昭和と激動の時代を歩まれた富本先生。西洋文化が怒涛のごとく日本に影響をあたえ、衣食住すべてが変わっていった時代。そんな背景を想いながら、先生の作品を見てみると、また違った深さが感じられてきました。 色繪…

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「陶藝家の父 富本憲吉展」より  〜陶板の世界〜

1908年10月(明治41年)、東京美術学校図案科で建築・室内装飾を専攻していた富本青年(当時22歳)は卒業制作である「音楽家住宅設計図案」をいち早く提出し、私費留学でロンドンへ留学。英国の建築・室内装飾をその目で見るだけでなく、「モダン・デザインの父」とも称されるウィリアム・モリスの研究などがその目的であった。 翌年の春には東京美術…

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先生の口癖

2020年の新しいカレンダーの1月が終わったと思ったら、2枚目も明日でおしまい。あさっては、もう3月。年度末や卒業式の季節。暖冬のせいで桜の開花予想も早まりそうで、なんとなく心がせわしなくなる時期です。こんな時こそ、心の栄養補給に芸術作品の鑑賞をするのもいいのではないでしょうか。当苑では先週から『陶藝家の父 富本憲吉展』を開催しており、…

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陶房の風をきく ~陶藝家の父 富本憲吉展 2週目

富本憲吉展も2週目となりました。 多くの言葉を残された富本先生。前回は白磁壺に並々ならぬこだわりを持っておられたことをご紹介しましたが、今回は色絵模様について。先生がどんな風に模様を考案していかれたのかを見て参りたいと思います。 ◇陶器を愉しむ者は實用を無視して単にその形だけを見、模様だけを見、また釉だけを玩ぶ可きでない…

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陶藝家の父 富本憲吉展 二週目  ~作品紹介~

新コロナウィルスによる小波で、ざわざわと心が落ち着かない日々。 そんな中、先週より始まりました『陶藝家の父 富本憲吉展』の会場では、ゆったりと静かな時間が流れます。 会場には土門拳氏による富本先生の写真が飾られています。穏やかなお顔で、くわえ煙草……深く腰を下ろした横にはご自身の作品がズラリと並びます。その傍らの会場には、先生が…

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堀一郎先生のぐい呑

手轆轤による造形は、唯一独特の存在感と釉の表情を生み出しています。使用している五斗薪土は焼き締まりにくく、収縮が小さいため、柔らかな雰囲気を持っています。 志野ぐい呑6.6 / 6.2 / H5.8cm3,3000円(税込)白く厚くかかった志野釉は、釉下の緋色を隠すように、透かすように、柔らかな豪快さで存在を主張しています。 志…

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魯卿あん便り~雪さゝ平向

京橋 魯卿あんでは北大路魯山人先生の常設展示を開催しております。 スライスした土を膝頭や鞍馬石に打ち付けたたき成形し、縁は鋭く切る。一枚の皿の中でも厚みが違うことで作品に動きが生まれている。技術的には志野と絵瀬戸の掛分であるが、志野釉を雪に見立てそこに黄・紫・緑・鉄絵で笹を絵付けする。魯山人先生らしい大胆さ。あえて素地をのこすことで一…

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「鵜の目 鷹の目」 富本憲吉作品の品格たるや

気候もあたたかくなるにつれて、香しい花の便りとともに、花粉が浮遊する、私にとっては、何とも複雑な季節になりました。 2月21日より「陶藝家の父 富本憲吉展」を開催しております。日本の陶藝界を語る上で欠かすことのできない存在、富本先生の作品約40点を展示。飾った瞬間から、静謐な空間をつくりだすほどの品格。ぜひ、実際にご観覧戴きたいと思い…

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滿開の花 「陶藝家の父 富本憲吉展」より

定家葛の四弁花紋、羊歯紋、竹林月夜、曲がる道……「富本憲吉」という名前を聞くだけで頭に思い浮かぶ独特の「模様」が皆さんあるのではないでしょうか。写生を重ね、写しではない独自の「模様」を追い続け、そして描き続けた富本先生。その数々の名作から「模様」の作家として語られることも少なくありません。ただ先生ご自身はあくまでも作品の核はその姿、…

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素顔と…

二十四節気の「雨水」が一昨日。雪から雨に変わり、雪解けが始まる頃。雪が解けて水になり、大地や田畑を潤す。冷たい空気がゆるんで、休眠していた植物も起き出してくる。冬の間の長い農閑期を経て農作業を始める目安にもなっていた「雨水」。寒さに身構える鎧のようなコートから、そろそろ春めくそれに衣替えするのもいいかもしれない。『陶藝家の父 富本憲吉展…

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陶房の風をきく ~陶藝家の父 富本憲吉展

明日より始まります富本憲吉展。富本先生といえば、四弁花や羊歯といった模様の色絵磁器が思い浮かぶ方も多いかと思います。 今回は先生の思い入れの強かった作品の一つである白磁の壺を中心とした展示となっております。もちろん、色絵の作品も一緒に並んでおります。 随筆集など多くの言葉を残された先生。そこから白磁作品のこと、模様のこと、工芸観…

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陶藝家の父 富本憲吉展   ~作品紹介~

先日、辛夷(コブシ)の並木が並ぶ道を見つけた。今か今かと、あの柔らかな産毛を蓄えた蕾が枝先にふっくらと膨らんで空を見上げていた。この週中は寒さが戻ってしまったが、今週末ぐらいに、あの辛夷の花は咲き出すだろうか……。少し肉厚の花びらが、優しく花開く姿を思い描いていたら、富本憲吉先生の白磁の温かく、柔らかな雰囲気と重なって感じた。 さて、…

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春を愛でる~福野先生の彩色酒盃

もはや毎年恒例の…とは言えない季節の変わり方をしている昨今ですが、それでも同じように今年も、1月8日には春の空気になり。蠟梅がほころび始め。冬で縮んでいた身体も空想も広がりを持ち始めたのは、驚きのことでもありました。福野道隆先生の作品は、言うなれば春の麗かな陽だまりのような作品たち。周囲に溶け込みながらも明るい気持ちを引き出すような…

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魯卿あん便り…九谷風トクリ

自ら料理を振る舞う際に用いるうつわを作る為、作陶の世界に入られた魯山人先生。やはりぐい呑や徳利といった酒器も魅力的なものが多い。その中でもこれほど端正に仕上げられた徳利は珍しく思える。北大路魯山人 九谷風トクリ二 共箱 ※価格はお問い合わせください。中心に伸びやかに描かれた植物は河骨(こうほね)と言い、沼や沢に自生する多年草で夏に黄…

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陶房の風をきく ~新里明士新作展

寒いと感じたのはつかの間のこと。早くも少しずつ春に近づいている、そんな東京です。さて新里明士先生の個展が始まっております。酒器展などグループ展には毎年お願いしておりますが、個展は3年振り。お話を伺いました。 ●もっと焼き物を知りたい磁器のイメージが強い先生ですが、日本とか海外とか枠にとらわれることなく…焼き物すべてが知…

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「鵜の目 鷹の目」 進化した蛍手 光器

花の蕾がほころび始め、少しづつ春のおとずれを感じようになってまいりました。今週は、「新里明士 新作展」を開催しております。光の景色が美しい作品がならびました。 展示は、2月18日(火)まで開催しております。ぜひ、お立…

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光を纏う器 『新里明士新作展』より

連日の寒さから一転して、昨日今日と春が間近に来ていることがはっきりと分かるような陽光に。外套に首を竦めながら早足で歩いていた通勤の道も、どこかゆっくりと散歩したくなるような気分になります。 洋服が変わるように器もその季節毎に手にする機会が増えるものが変わってきます。昨日から始まりました『新里明士新作展』。まさにこの春の柔らかい光と…

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埋火

当苑のある渋谷。新しいビルの建設ラッシュや、銀座線がリニューアルしたり、日々少しずつ様相が変化している。85年の歴史をもつデパートも3月いっぱいで閉店すると総決算の売り出し中。山手線に沿ってあった、よくダンスの練習をしている姿が見られた公園も新しい複合商業施設として生まれ変わるべく、重機が動いている。長い間、見慣れた通い慣れた景色や場所…

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