隠崎隆一先生の作品紹介

 11月も半ばですが皆様いかがお過ごしでしょうか。渋谷の街にはクリスマスツリーが早くも出現し始めました。この調子でいくとクリスマス当日にはそこら中にモミの木が生い茂っていることでしょう。そんな浮かれた雰囲気の渋谷ですが、本日もコレクターのまなざし 隠﨑隆一 特集を開催中です。展示しているものはコレクターの方が1900年代後半に集められた作品で、全てが大型のものとなっております。そこで、今回は近年先生が制作された作品をご紹介させて戴きます。


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備前徳利 9.5 / H15.0 ¥165,000(税込)

隠﨑先生を象徴する様々な要素が盛りだくさんの徳利。その形は直線的でありながらも手触りは確かに曲線を感じる不思議な造りである。鉋のようなもので削いで作られているのだろうが、胴の部分には傾斜が付けられており、中にしっかりと酒を蓄えることができる。一見すると岩がテーブルの上に置いてあるようにも見えるこの徳利だが、触って分かる中身の詰まった絶妙な丸さは愛らしく、まるで3本足の生き物がそこにいるようにも感じられる。形はもちろんのこと、その景色も独創性で溢れている。一番の見どころとなるのは中央にひとすじ流れる玉だれであろう。元はただの灰が降り積り溶け出すほどに高温な窯の中で、素地と共に褐色に変化したこの一雫は、内部の細かな気泡と貫入によって黄金が練り込まれているかのような不思議な輝きを放つ。また、この面はとても窯変が美しく、白色の素地を多く残しながらもその際に鮮やかな朱色が走り、空が夕焼けから夜空に変わるように濃く深みのある褐色に変化している。他にも胡麻が際立った部分やカセた風合いの部分、艶を持った黄土色の面など、たった一つの徳利に数えきれないほどの魅力が詰まっている。


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備前湯呑 7.1 / H9.7 ¥44,000(税込)

周囲をぐるっと斜めに走った段差が囲んでいる。胴の部分が膨らみ口の部分が窄まっており、この窄まった部分に手を添えると手のひらに自然と形がフィットする。この段差はデザイン性を求めてのものだと思っていたが、湯呑として使って初めてこの段差に指先が引っかかるようにできていることに気づくだろう。また、素地にはたくさんの小石が練り込まれており、釉で隠されていないことで鉋に引っかかって土に埋もれた軌跡や、大小様々な石ハゼを観察することができる。曲線的なシルエットでありながらもゴツゴツとした力強さをもち、土そのものの良さを感じさせる湯呑。


展示会作品

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会期は明日11月15日(火)までとなります。暗闇の中に不思議な土の造形が浮かび上がる重厚な雰囲気を是非お楽しみください。


(爽)

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