梶原靖元先生の酒器のご紹介
11月も残すところあと2日となりました。先日買い物にでかけましたら、スーパーマーケットの入り口近くに、パックに入った鏡餅の箱がうずたかく積まれていて、多くは明るい朱色の箱ということもあり、その箱の山の迫力に気圧されるとともに年の瀬が近づいていることに改めて気づかされました。2022年の締めくくりに向けそろそろ準備をしていかなくてはなりませんね。
本日は梶原靖元先生の酒盃をご紹介いたします。
縄文白瓷杯
5.2 / H4.0cm ¥19,800(税込)
指先になじむ小振りな杯。手捻りで形作られた後に縄目が付けられています。遠くからは濃淡のある自然釉の印象が勝りますが手に取って間近にすると、釉薬の向こうに薄っすらと縄目がついていること、それによってこの小さな器がより一層表情豊かになっていることにお気づきになるはずです。
黝青釉盃
7.1 / 6.7 / H3.8cm ¥17,600-(税込)
黝青釉(ようせいゆう)とは、青唐津の手法で織部の緑色を再現しようと試み、得られた先生独自の釉薬とのこと。ガラス化した釉薬のたまりがよく見える平らな形が特徴です。先生によると唐津の酒器はお酒をきれいに見せるとのことですが、まさにこちらもお酒が入ることでますますその魅力が引き立てらる作品となっています。
黒百合盃
7.9 / 7.3 / H4.0cm ¥17,600-(税込)
大輪の花が咲いたような形が印象的ですが、黒百合の名前の由来は黒っぽい褐色の鉄絵によるものです。一方で、器をつつむダイナミックな黒褐色の筆致は、植物の生命力にも通じるものがあるように感じられます。
梶原先生は伊万里にお生まれになり、有田工業高校のデザイン科で学ばれたのち、唐津の太閤三ノ丸窯に弟子入し、陶芸を始められます。20代半ばに京都に行かれ、クラフト系の絵付けと煎茶道具作りにそれぞれ5年間従事されたのち、唐津にて独立されました。
最初は電気窯でクラフト作品を作られていてお引き合いも多くあったそうですが、そのうち、ご自身の作品に対して、“これは本物ではないのではないな”との疑問をお持ちになったそう。薪の穴窯を作りたいとのことで出会われたのが、日本最古の登り窯跡であり唐津焼の起源とも言われる飯洞甕窯跡にほど近い現在の工房の所在地。山地だったところを木を伐採して造成されました。以来、時には、韓国や中国の古窯址の調査もされながら、独自の唐津焼の世界を深められています。
先生らしさを物語るのは、なんといっても“本物”を追及されるその姿勢。器の原料である土、灰、釉薬などすべての材料を、工房近くで自ら採取され、その内容、使い方それぞれの定説にまつわる疑問を自ら一つ一つ検証して作られています。
だからと言って決して頭でっかちではない梶原先生の作品。その豊かな視座と、それを支える巧みな手を通して生み出される作品群はどれもが朗らかで風通しのよい空気に満ちています。中でも酒器は持ちやすさを大事にされていて、ご自身の窯で焼いたものは必ずすべてご自身でも使っていらっしゃるそうです。ぜひ一度手に取ってご覧くださいませ。
陶歴
1962年 佐賀県に生まれる
1980年 唐津の江口宗山に師事する
1989年 京都の大丸北峰に師事する。有田、唐津、京都など各地で修行を重ねる
1995年 唐津市和多田にて独立する
1997年 相知町にて穴窯を築窯する
2001年 佐里にて築窯する
2002年 韓国古窯址を調査
2003年 韓国古窯址にて3カ月間研修
2009年 中国河南省汝窯青瓷古窯跡視察
2012年 「韓日會寧陶磁展」出品
韓国梁山にて作陶
2013年 韓国通度寺にて作陶
2014年 井戸茶碗古窯後 白蓮里、頭洞里の原料視察
2015年 高麗白瓷古窯跡 楊口、驪州視察
2017年 雲垈里、宝城粉引原料視察
2018年 黒高麗窯跡龍山里視察
2019年 李朝白瓷分院古窯視察
2020年 西日本新聞随筆連載(全50回)執筆
1980年 唐津の江口宗山に師事する
1989年 京都の大丸北峰に師事する。有田、唐津、京都など各地で修行を重ねる
1995年 唐津市和多田にて独立する
1997年 相知町にて穴窯を築窯する
2001年 佐里にて築窯する
2002年 韓国古窯址を調査
2003年 韓国古窯址にて3カ月間研修
2009年 中国河南省汝窯青瓷古窯跡視察
2012年 「韓日會寧陶磁展」出品
韓国梁山にて作陶
2013年 韓国通度寺にて作陶
2014年 井戸茶碗古窯後 白蓮里、頭洞里の原料視察
2015年 高麗白瓷古窯跡 楊口、驪州視察
2017年 雲垈里、宝城粉引原料視察
2018年 黒高麗窯跡龍山里視察
2019年 李朝白瓷分院古窯視察
2020年 西日本新聞随筆連載(全50回)執筆