唐津 丸田宗彦展に向けて

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一九六一年、佐賀県黒牟田の窯元に丸田正美の二男として生まれた宗彦は今年、還暦となられる。

子供のころから裏山の雑木林にある錆谷古窯址の物原が遊び場だった。一九歳の時から益子で修業し、四年後、生まれ故郷の黒牟田錆谷へ帰って父正美の元で研鑽を深められたのであろう。

二六歳の時、結婚と同時に四季の移ろいのある自然に親しみ、陶を楽しむには絶好の地・武雄郊外の東川登町の高台に新居と登窯「内田皿屋窯」 (うちださらやがま)を築窯して独立した。

益子での心の修業を終え、錆谷で作陶への感動が独立の緊張感を和らげ、親しみやすい独特な宗彦作品を登場させた。

当苑での初個展は一九九三年、三二歳の時であった。その後、古唐津の心をくみ取った「温故知新」の精神で人一倍、「焼・土・造り」に執念を燃やして風格ある宗彦唐津を創り出していった。

絵唐津・斑唐津・朝鮮唐津・粉引・黒唐津・青唐津など、どれを取っても宗彦作品だとわかる個性が生まれ、梅華皮の出た絵唐津が完成したことで、内面からじっくりと焼ける窖窯築窯を模索した。

こうして二〇〇〇年には、唐津焼では初となる半地下式窖窯の皿屋川登窯(さらやかわとかま)を築窯した。登窯より窖窯は小さめだが、三倍の焼成時間が掛かる。それで絵唐津も火前で灰がかかるので艶がないように焼成でき、梅華皮も深味を湛えて美しい焼き上がりとなった。

現在、窖窯を使っている多くの陶芸家は合理的な棚組みをしている。自然釉を主とする備前焼でも多数の作品を焼成できる棚を使って窯詰めをしているが、丸田は敢えて棚を組まず、昔のように地面に置いての焼成を心掛けている。

奥高麗も再現して、そのルーツである井戸・御所丸など高麗茶碗や、唐津焼では不可能とされていた引出黒、黒織部や楽茶碗にも挑み、その度ごとに愛陶家を驚嘆させている。

いよいよ円熟さが増して創作性が調和した「絵唐津茶碗」の造形も然ることながら、土見せや釉掛けにも細やかな所作がみられ、竹節などの高台はきりりと抑えられている。

所蔵する初期唐津の斑壺からの発想で、新たに彫文を工夫した「斑唐津茶碗」や「斑唐津壷」の千変万化の釉景、そして「唐津黒茶碗」も見応えがある。

定評ある「朝鮮唐津花入」には、久しぶりに耳がつけられ、端整な梅瓶風の作品も気品を漂わせて茶花には、最適な逸品となった。


黒田草臣






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【唐津 丸田宗彦展】
開催期間:2021年4月16日(金) ~ 2021年4月27日(火)
休業日:22日(木)

第一部:酒器・食器 4月16日(金)~20日(火)
第二部:壺・茶碗  4月23日(金)~27日(火)

作家在廊予定:16~19日、23日
*詳しくはお問合せください


<丸田宗彦/陶歴>
1961年 佐賀県に生まれる
1980年 濱田庄司の三男・篤哉に師事する
1984年 黒牟田に帰り、作陶を始める
1987年 内田皿屋窯を開窯する
    「日本伝統工芸展」入選
1993年 当苑にて初個展を開催する
2000年 穴窯の皿屋川登窯を開窯



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