陶房の風をきく ~唐津 丸田宗彦展

明日より丸田先生の個展が始まります。
昨年は節目の年となる作陶40周年を迎えられました。

「唐津は若い人が頑張っているし、大先輩もとてもお元気だから、自分もまだまだやらないと。」と先生。

常にお客様目線を意識して、どうしたら喜んでいただけるか、を考えておられます。それは毎年作品を通して、またお話を伺っていつも強く感じます。

今回も個展に向けてお話を伺いました。


●新しい形


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 絵唐津壷


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朝鮮唐津壷


常に新しいもの、動きのあるものをと考え「やっているうちにやや胴に張りがあり、下に行くにつれ、少し窪んでいる形に行きついた」のだとか。



小さな作品にも
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粉引唐津徳利


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絵唐津ぐい呑






●新しい彫文
今回、壷やお茶碗、ぐい呑にも見られる彫文。これは先生が所蔵される初期唐津の斑壷から発想をえたもの。


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斑唐津壷



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斑唐津茶碗



「今まではバツのような彫が多かったけれど、ちょっと新しくやってみました。」

斑唐津や唐津黒のお茶碗にも取り入れたのは、

「お茶碗もなにか面白いことがあったほうがいいでしょう。」というお考えから。


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唐津黒茶碗




●新しい斑


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斑唐津梅瓶


今年の斑は青みがやや強い印象を受けます。今までの土とは違うものを使っているのだそうです。釉薬との関係もあるそうですが、

「焼成の際に温度を上げると青くなりやすく、でも上げ過ぎると透明釉のようになってしまい、かといって焼けないと面白くない。その匙加減ですね。」とおっしゃいます。

釉薬は火が当たる部分には厚めにかけ、当たらない部分には薄めにかけるなど、細かい「狙い」を施しています。



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斑唐津花入





●器形と釉薬
今回は壷でもお茶碗でも造形と釉薬が「バッチリ決まった」ものが多かったのだそうです。

また釉薬をどうするのか決めるのは器形によるのだそうで、No.1の壷などは他の壺に比べて釉流れがほとんど無いですが、これはそれをねらってわざと流れにくいように少し薄めに釉薬をかけたものだそうです。


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No.1 朝鮮唐津壷




No.14、No.15、No.16、No.17 では釉薬の掛け方も違い、長石も違うのだとか。また土も全て違うものを使っているそうです。

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図14 絵唐津茶碗

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図15 絵唐津茶碗

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図16 絵唐津茶碗

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図17 唐津皮鯨茶碗



No.16、No.17で使用している長石はより白が出やすいものを。掛け方に動きがあることで長石の白が生きています。

それぞれ「一発勝負」の中、お茶碗は形の良いものがうまく焼けたそうで、久しぶりにこのタイプの絵唐津茶碗を出してくださったそうです。


器形と釉薬というのは、そのマッチングが悩みの種でもあり、また思いがけない作品を生む土壌でもあります。これだけの種類の焼き物をを自在に扱い、そのどれを見ても丸田先生だとわかる個性を出し続けていくことは本当に大変なことだと思います。
自分は才能がないから、なんて謙遜される先生ですが、多くの焼きものファンの皆様を長年魅了している陰に、常に探求する心を持ち続けておられます。



●遊び心

こちらの羅漢陶板も定番となりつつあります。もとは1枚の陶板として作っていたそうですが、ふと思いついて分割。揃えて使ったり、テーブルが2つに分かれるなら2つに分けても使えるし、1つだけ使ってもいいという。なんとも具体的な使い道を想定されているところが、食べることが好きとおっしゃる先生らしく、遊び心のある心遣いです。



朝鮮唐津羅漢陶板
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揃えて大きく

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それぞれ1枚ずつでも






朝鮮唐津梅瓶
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ここの部分は、窯焚きの際に倒れないよう四方から支えているものがそのまま付いたままになったもの。貝殻に土を入れているものだそうで、景色となって面白かったのでそのまま残したのだそうです。




前回お話を伺ったとき「新しいものを探し、窯焚きのときにあちこちに置いて試し、探っていく。その繰り返しを真摯に丁寧に続けること。そうしていると土や釉や窯が自分の想いに応えてくれる」のだと教えてくださいました。そのときに『今までと同じように見えるものも、どこか新しく見えるものも、繰り返しの積み重ねだけが作り上げる世界』だと感じましたが、今までもこれからもずっと積み重なっていくその世界を1年単位で見せていただけることのすごさを実感しています。


昨年はコロナ禍の緊急事態宣言のため、先生の個展も5月末に始まり、しかも初めてのオンライン展示会を同時開催しました。もちろん先生もご在廊されず。。。今年は徐々にまた感染者数が増えているものの、なんとか通常のこの時期に開催する運びとなりました。先生もご在廊くださいます。


ぜひご高覧いただけますと幸いです。




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【唐津 丸田宗彦展】
開催期間:2021年4月16日(金) ~ 2021年4月27日(火)
休業日:22日(木)

第一部:酒器・食器 4月16日(金)~20日(火)
第二部:壺・茶碗  4月23日(金)~27日(火)

作家在廊予定:16~19日、23日
*詳しくはお問合せください


<丸田宗彦/陶歴>
1961年 佐賀県に生まれる
1980年 濱田庄司の三男・篤哉に師事する
1984年 黒牟田に帰り、作陶を始める
1987年 内田皿屋窯を開窯する
    「日本伝統工芸展」入選
1993年 当苑にて初個展を開催する
2000年 穴窯の皿屋川登窯を開窯



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(恭)


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