魯卿あん便り~酒器特集展 嶺男先生の黄瀬戸を想う

京橋 魯卿あんでは今週も昭和巨匠の先生方が創られた酒器を特集した展示を開催させて戴いております。

IMG_9945.jpg
嶺男先生の黄瀬戸は独特の存在である。
類品が比較的少ないのもさることながら、例えば一つの作品の中に釉が溶けて艶のある部分と抑えられている部分が併存し
我々の考える黄瀬戸の一般的な分類、すなわちぐい吞み手、あやめ手、菊皿手の分類で捉えることができないように感じられるからである。
(ちなみにその分類を定着させたのは実父であった加藤唐九郎先生である)
『嶺男黄瀬戸』ともいうべきものを理解するにはあくまで灰釉表現の延長線上、そしてマチエールを最重要視した嶺男先生の精神をふまえた視座に立たなければならないように思う。
IMG_9941-2.jpg
この手の徳利や一輪挿しは所載のものなどが数点知られているが、その中でも本作は艶が抑えられた肌をしているが、先生の特徴である箆目が強く出た部分に釉が溜まって溶け、所々に艶のある部分が見られる。
黄瀬戸の装飾として一般的に施される胆礬も、この作品では特に顕著であるが、あやめの線文に沿うように描いている。
IMG_9949.jpg
生涯にわたって追究された灰釉表現のひとつとしての’嶺男黄瀬戸’の醍醐味を堪能できる作品である。

(申)

【魯卿あん 酒器特集展】
Exhibition of Grandmasters’ Tokuri & Guinomi (at Rokeian, Kyobashi)
開催期間:2021年2月1日(月) ~ 2021年2月13日(土)
休業日:7日(日)、11日(木)

展示作品の一部は弊社ホームページにおいてもご覧いただけます。



<しぶや黒田陶苑HP>
<Facebook>
<黒田草臣ブログ>

※無断転載、再配信等は一切お断りします