どの一杯も… 2021年『大酒器展』より
北大路魯山人 色絵三彩徳利・赤ゴス雁木文馬上盃
日常生活の様々な面で制限がされる一方、柔軟な発想とテクノロジーを使って新たな試みも日々生まれています。全ての交流や体験が今後インターネットなどを用いた非接触型、非対面型になるとは考えにくいですが、例えばオンラインでのライブイベントの集客が実際の公演収容人数を遥かに上回る人数になったという話や、距離や身体的な制限なくコミュニケーションをとることのハードルが低くなったことを自分自身が体験することで、今後これまでには想像もしていなかったような「豊かな」社会が生まれるのではという期待もあります。
身近なところでは「オンライン飲み会」を楽しまれている方もいらっしゃるかも知れません。
SNSではご自慢の酒器を肴に語り合う、という方の投稿を見かけたことがあります。時間も場所も制限がない訳ですから、決して「代替案」ではない新たな可能性があるように感じます。
また在宅勤務が増え、これまで「時短」がキーワードだった家庭料理も、じっくりと時間をかけたものを作る機会が増えたという声もしばしば耳にします。会食の機会が減ってしまったことは本当に残念ですが、お酒やテイクアウトの料理を買い込んで、ご自宅でいつもよりも少し贅沢な晩酌を楽しまれている方もいるのではないでしょうか。
日々の疲れを癒す一杯も、頑張った自分へのご褒美の一杯も、久しぶりの親友との乾杯の一杯も。こうした時だからこそ、どの一杯もお気に入りの器で愉しんで戴きたいものです。
金曜日から始まりました「大酒器展」。
そのタイトルの通り全国各地から人気作家たちの酒器が会場一杯に並んでおります。初日は人数制限を行う程大勢のお客様にご来苑を戴きましたが、まだまだ作品は沢山ございます。年間を通してもこれだけの種類と数の酒器が集まるのはこの展示会だけ。酒器を探している方にはぜひご覧いただきたい展示会です。
酒器と言っても、その方のお酒の嗜好、手の大きさ、戴き方によって「これが万能」というものは存在せず、お一人お一人にぴったりと合うものがあるもの。しっくりと手に馴染む酒器は静かにそして力強く共にお酒を愉しんでくれるでしょう。
今回は実際のご来苑が難しいというお客様も多いかと存じます。
ホームページでも多数作品をご覧いただけますが、まだ紹介出来ていない作品もございます。何かお探しの作品がございましたらお気軽にメールやお電話を下さいませ。お好みの酒器をご一緒に探すお手伝いが出来ましたら幸いに存じます。