【大酒器展】 ~作品紹介~

昨日はここ渋谷でも霙混じりの冷たい雨が降りました。
雪が多く降っている地方の方々は、ご無事でしょうか。
様々な心配が心を乱す日々が続いています。

さて、そんな中では御座いますが、本年一発目の展示会を無事に終え、多くのお客様が待ち焦がれて下さっている【大酒器展】が始まります。
今年は当苑では初出品の現代作家さんを加えた、全国31名の作家さんに出品して戴く事となりました。
また、それに加えて巨匠作家の逸品も取り揃えて皆様のお越しをお待ちしたいと思っております。

当苑のお客様は、本当に酒器がお好きなお客様が多くいらっしゃいます。
年に数度、酒器をお得意とする作家さんの個展で、その作家さんの作品でお手持ちの中から、お気に入りの逸品を持ち寄って戴いて少々のお酒を愉しんで戴く場を設けることが御座います。
愛おしそうに掌の中にお持ちになり、ポツリ…ポツリ…と、その作品との出会いから、ご自身の手元に置くことになったこと、作家さんとのアレコレなどを嬉しそうにお話してくださる姿は、愛情が滲み出ていて、こちらまで嬉しく、楽しくなってしまします。
本展示会では、また、このご時世もあり、そのようなイベントは御座いませんが、そんな心に刺さるような作品に巡り合って戴ける、絶好のチャンスかと思います。
オンライン販売なども致しておりますので、大変な時期ではございますが、少しでも愉しんで戴けましたら幸いで御座います。

それでは、出品作品の中から一部作品のご紹介をさせて戴きます。


伊藤3・4・2-2.jpg
伊藤3・4・2-1.jpg
伊藤秀人 
3:白瓷盃 / 4:白瓷盃 / 2:白瓷瓶
薄っすらと雪が降り氷り付いたような薄造りで緊張感のある酒器。
柔らかな輪花になった盃、美しい均整の取れた盃、そして林檎のような膨らみを持った瓶が並びます。


今泉8・9・3・7-1.jpg
今泉8・9・3・7-2.jpg
今泉8・9・3・7-3.jpg
今泉毅
8:青瓷盃 / 9:白瓷盃 / 3・7:窯変天目盃 
美しい流れの窯変天目の他に青瓷や白瓷の作品も並びます。


内田2・3・6-1.jpg
内田2・3・6-2.jpg
内田鋼一 
2:唐津盃 / 3:引出黒酒呑 / 6:粉引酒呑
素朴な匂いを感じる内田先生の盃。
自然体でリラックスしてお使い戴けそう。

江波3・2・4・1-1.jpg
江波3・2・4・1-2.jpg
江波3・2・4・1-3.jpg
江波3・2・4・1-4.jpg
江波3・2・4・1-5.jpg
江波冨士子 
3:白蔓草お猪口 / 2:白蔓草お猪口 / 4:白蔓草お猪口 / 1:白蔓草片口
氷の中に閉じ込められた小花のような、繊細で可愛らしいデザイン。
よく見ると、絡まる蔦の葉やお花に緑やブルー、ピンクなどの色があしらわれている。


亮太郎1・3-1.jpg
加藤亮太郎
1:志野酒呑 / 3:紅志野酒呑
重厚感がありつつも手取りは思いのほか軽く、気軽にお使い戴けそう。


巖5・4・2-1.jpg
巖5・4・2-2.jpg
巖5・4・2-3.jpg
金重巖 
5:伊部酒盃 / 4:伊部酒盃 / 2:伊部瓢徳利
赤味が強く出た部分に黄胡麻が降った、美しい盃たち。

まこと1・6-1.jpg
まこと4・2-1.jpg
まこと4・2-2.jpg
金重愫
1:備前徳利 6:斑唐津ぐい呑
4:備前盃 2:備前徳利
青味の窯変が出た、徳利と斑のぐい呑の一対。

下の一対の徳利の胴には凌ぎが入れられている。
そこにカセが入ることにより大きな皺のように見え、深みが出ている。

有邦3・1-1.jpg
有邦3・1-2.jpg
有邦3・1-3.jpg
金重有邦 
3:伊部酒呑 1:伊部徳利
有邦先生の作品は、いつも「美しい土だなぁ……」と感じる。
丁寧に手入れされた作品は滑らかで、口当たり、手触り共に一度手に取ると手放したくなくなる。
夕日に染まった空のような酒呑と、華が咲いたような抜けが入る徳利其々に、違う美しさを持つ。

克1・4・8-1.jpg
菊池克 
1:明器盃 / 4:青柳盃 /8:耳盃
克先生らしく、様々なタイプの作品が沢山並び、賑やかな雰囲気が愉しい。

小西3・2・7-1.jpg
小西3・2・7-2.jpg
小西潮 
3:ゴジラレースお猪口 2:ゴジラレースお猪口 7:ゴジラ市松ちろり
今回は手の付いた「ちろり」が登場しました。
よく見ると柄が段階ごとに一列ずつスライドして市松風にずらしてある、大変手の込んだ作品。

都10-1.jpg
都10-2.jpg
都8-1.jpg
都8-2.jpg
鈴木都 
10:石斑ぐい呑
8:紫志野ぐい呑
伏せて焼くことで、釉垂れが口縁に出たぐい呑は富士山を思わせる山のように見える。
志野や、紫志野のぐい呑も揃っている。

高力4・1-1.jpg
高力4・1-2.jpg
高力芳照 
4:備前窯変酒呑 1:備前窯変徳利
ふっくらとしたお腹の徳利と酒呑。
赤く柔らかな雰囲気の酒呑に対し、徳利はたっぷりと灰が被って力強い雰囲気。

佐次郎3・4-1.jpg
佐次郎3・4-2.jpg
田中佐次郎 
3:朱雲盃 4:朱雲盃
深いベリー色に美しい青が流れた朱雲盃。
丈のある方は捻れが入ったように見え、ソフトクリームをひっくり返したように見えてくる。

辻村11・1-1.jpg
辻村11・1-2.jpg
辻村塊 
11:粉引徳利 1:伊賀ぐい呑
粉引の濃度に変化を持たせ、見え方を変えた徳利と、美しい春を思わせる伊賀のぐい呑。

津田3-1.jpg
津田3-2.jpg
津田3-3.jpg
津田3-5.jpg
津田9・8・7・6-1.jpg
津田9・8・7・6-2.jpg
津田9・8・7・6-3.jpg
津田清和 
3-2:面取厚底酒呑 3-1:面取厚底酒呑
9:角酒瓶 8:八角酒瓶 7:鎬角酒瓶 6:瓢酒瓶
いつもの少し雰囲気の違った酒器が登場しました。
甘くてほろ苦いキャラメルソースのようなインクが踊るように溜まった、新しい魅惑的な酒器。
この他にも、様々な酒瓶や、鎚目や面取の盃なども多数並びます。

美佐2・3-1.jpg
美佐2・3-2.jpg
美佐2・3-3.jpg
直木美佐 
2:黒楽ぐい呑 3:黒楽ぐい呑
ぼんやりと、ふんわりと色が掛かっているその姿が、不思議と景色のように見えてくる。
昨日降った雪の空のようにも見えるし、山々の連なりのようにも見える。
風情ある雰囲気が、心落ち着かせてくれる。

堀6・7・1-1.jpg
堀6・7・1-2.jpg
堀一郎 
6:黄瀬戸ぐい呑 7:瀬戸黒ぐい呑 1:志野徳利
良く焼き締まった堀先生の作品は、上品で情緒ある色合いを呈している。

前田1・4・2-1.jpg
前田1・4・2-2.jpg
前田正博 
1・4・2:色絵酒器
作品を上下に分けて、上半分には作品それぞれに色をのせている。

正木2・11・1-1.jpg
正木2・11・1-2.jpg
正木2・11・1-3.jpg
正木7・5・8-1.jpg
正木7・5・8-2.jpg
正木春藏 
2:色絵染附斜線文小筒 11:染附宝づくし文酒呑 1-2:染附芙蓉手飛馬文徳利
7:色絵染附端反牡丹文酒呑 5:色絵染附小花小筒 8:赤絵金彩梅散らし盃
青味を帯びた様々な絵付けの酒器と、いつもと一味違った絵付けの色絵の盃を並べています。

升たか2・1-1.jpg
升たか2・1-2.jpg
升たか2・1-3.jpg
升たか4・5-1.jpg
升たか4・5-2.jpg
升たか4・5-3.jpg
升たか 
2:色絵金彩鳥ブドウ紋杯 1:色絵金彩ロマネスク杯
4:色絵金彩アラベスク杯 5:色絵金彩アラベスク杯
升たか先生の作品は、平和そのもの。
楽園の中に迷い込んだような、様々な鳥が描かれた杯や、天使がニッコリと笑って笛を吹く様など、そして、明るい太陽を思わせる、平和と元気を届けてくれそうな作品が並びます。

松永7-1.jpg
松永7-2.jpg
松永7-3.jpg
松永7-4.jpg
松永7-5.jpg
松永7-6.jpg
松永7-7.jpg
松永6・3-1.jpg
松永6・3-2.jpg
松永圭太 
7-4・7-5・7-2:cave 
6:tower 3 3-1:void 3-2:void 1-1:三ツ足
実に面白く進化を進める若き陶芸家。
転写シートを使った変化の富んだ格子柄の中心は、陶片を集めて押し付けたような複雑な見え方。
この他にも、砂漠の真ん中に迷い込んだようなvoidのシリーズの酒器などを出品戴いています。

丸田6・9・7・8-1.jpg
丸田6・9・7・8-2.jpg
丸田6・9・7・8-3.jpg
丸田宗彦 
6:絵唐津ぐい呑 9:絵唐津扁壷徳利 7:粉引唐津ぐい呑 8:粉引唐津扁壷徳利
小振りな徳利には小さな木の実が描かれていたり、身を切るような寒さを感じさせる一筆が入って、愉しませてくれます。

三輪4・2-1.jpg
三輪4・2-2.jpg
三輪5・6-1.jpg
三輪5・6-2.jpg
三輪5・6-3.jpg
十三代三輪休雪 
4・2:淵淵盃
5:淵淵盃 6:寧盃
先日、先生のInstagramを拝見したら、雪が降ったお庭の写真を何枚か掲載されていました。
樹々の葉に降り積もり始めた雪が乗り、フンワリとしたしろの斑模様、全体に白い景色の中、敷石の部分の雪はまだ薄く点々と抜ける様。
なるほど、こんなところから生まれる萩だからこそ、こんなに風情のある景色のやきものが生まれてくるのだと、妙に納得してしまう。

矢野10・2-1.jpg
矢野直人 
10:粉引ぐい呑 2:井戸徳利
静かな中に感じ取れる灰釉や自然釉の流れが愉しめる。

若尾4・6-1.jpg
若尾4・6-2.jpg
若尾経 
4:青磁ぐい呑 6:米色磁ぐい呑
黒と白のマーブル模様が、何だか今年の干支である丑に見えてきた。
流れを持って立ち上がる口縁も、牛の耳のように見えてくるから不思議。


【巨匠】

魯山人-1.jpg
魯山人-2.jpg
魯山人-3.jpg
北大路魯山人
色絵三彩徳利
捻じれた帯の中を踊るように入る色とりどりの水玉は、空高く舞い上がっていくシャボンのようで、風や温かな空気感を感じ、自由で爽快な気分にさせてくれる。
それでいて可愛すぎない落ち着きと、品を兼ね備えている。
高台内に「呂」のサイン。







早く、自慢の酒器を持ち寄って、お互いの酒器を愛で合うような時間が戻ることを切に願い、また新たな出会いを求めて戴ければと思います。









<大酒器展の出品に関してのお知らせ>
以下の作家さんに関しましては、抽選にて販売させていただくことになりました。

■隠﨑隆一先生 徳利2点、ぐい呑5点
いつも力強い作品を届けて下さる隠﨑先生。
今回も鋭い切れ味の作品を届けて下さっています。

■スナ・フジタ先生 ぐい呑8点
当苑、初出店の作家さん。
藤田匠平先生、山野千里先生、ご夫婦でもいらっしゃるお二人は、スナ・フジタというユニットで共同で作品を作り上げていらっしゃいます。
日常そのものを切り取ったようなほのぼのした絵柄から、絵本の1ページに迷い込んだような印象的な絵柄まで、とても柔らかで温かな空気感が幸せな心地にさせてくれます。

■瀬戸毅己先生  盃3点
いつも作品を手持ちで持ってきてくださる先生。
カジュアルな大きなリュックからこんなに素敵な作品が次々と出てくる様子は、何度見ても滑稽です。
そして、その時々の展示会場を一回りして「幸せだな~」と柔らかく微笑むお人柄。
いつぞやに仰った『夢を見ながらやきものをしています……』の言葉。
深く静かな中に、ポッと灯る炎のように窯変が浮かび上がります。

■見附正康先生  徳利1点、盃3点
大変な雪の中から、作品を届けて下さっています。
ふっと息を吹きかけたら、軽く飛んで行ってしまいそうな本当に繊細な図柄。
実は雪の影響でまだ、こちらに届いておりませんが、どんな作品が到着するか、今から楽しみです。


詳しくは、下記に添付いたしますリンクにまとめて御座いますので、ご確認をお願い致します。

大変ご不便をお掛け致しますが、ご協力の程、どうぞ宜しくお願い致します。





(葉)



 【大酒器展】 
Exhibition of Tokuri & Guinomi
開催期間:2021年1月15日(金) ~ 2021年1月26日(火)
Exhibition : January 15 to January 26, 2021
休業日:21日(木)

会場-2.jpg
会場-3.jpg
会場-4.jpg
会場-1.jpg

【出品予定作家】
伊藤秀人 今泉毅 内田鋼一 江波冨士子 隠﨑隆一 加藤亮太郎 
金重巖 金重愫 金重有邦 菊池克 小西潮 鈴木都 スナ・フジタ
瀬戸毅己 高力芳照 田中佐次郎 辻村塊 津田清和 直木美佐 新里明士
福野道隆 堀一郎 前田正博 正木春藏 升たか 松永圭太 丸田宗彦 
見附正康 十三代三輪休雪 矢野直人 若尾経  
(敬称略/五十音順)
他物故巨匠作家


※物故作家の作品のみ、その後京橋 魯卿あんにて開催致します【酒器特集展】にて展示致します。
併せてご高覧下さいませ。

 【酒器特集展】 
魯卿あん(京橋店) 
2021年2月1日(月) ~ 13日(土) ※2月7日(日)・11日(木)祝定休



尚、昨日まで開催しておりました【初夢初碗展】に関しましては、1月26日(火)まで引き続きオンラインページにてご覧いただけます。
店頭に飾っておりませんが、作品は「しぶや黒田陶苑」にございます。
おっしゃっていただければお出し出来ますので、ご遠慮なくお申し付けくださいませ。

オンライン展示会【初夢初碗展】 Exhibition of Chawan
https://www.kurodatoen.co.jp/exhibition/20210108/



 京橋 魯卿あん 
 Rokeian
〒104-0031 中央区京橋2-9-9
TEL: 03-6228-7704 FAX: 03-6228-7704
http://www.kurodatoen.co.jp/rokeian/
営業時間:11:00~18:00 定休日:日曜日・祝日

※無断転載、再配信等は一切お断りします

黒田草臣ブログはこちら
Twitterページ こちら
Facebook ページはこちら
Instagram ページはこちら
しぶや黒田陶苑のホームページに戻る