酒・・・富水

9月1日は「防災の日」。大正12(1923)の関東大震災が発生した日であり、暦の上で二百十日と呼ばれ、立春から数えて210日目にあたり、昔から台風がよく来る頃として警戒を呼び掛けていた日でもあった。今年は、まさに台風9号、続けて10号の襲来、加えてコロナという状況で、いつにもまして気を引き締め、備えを点検すべき時と再確認しなければと思う。

さて、今年も多くのお客様が待ちに待った展示『双頭の酒器展』がスタートしました。お気に入りの徳利とぐい呑で、ホッとひと息つける時間を持っていただけたらと願っております。

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軸: 加藤唐九郎「酔々」

今回の展示にふさわしい加藤唐九郎先生のお軸。見ているだけで、顔がほんのりと赤くなってきそうです。

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花器: 金重陶陽「備前三角花入」

花: 刈萱(カルカヤ)・秋明菊(シュウメイギク)・吾亦紅(ワレモコウ)

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陶陽先生の花入の名が三角花入というのが、お分かりになるかと。

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刈萱(カルカヤ)

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イネ科の植物だということが見て取れます。

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秋明菊(シュウメイギク)

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吾亦紅(ワレモコウ)

赤褐色の粒が集まった花は、いかにも秋らしい感じを漂わせます。

お酒と言うと、思い出すのは「酒は飲め飲め飲むならば…」と続く有名な黒田節。

黒田長政の家来母里太兵衛が、主君長政から福島政則の元へ使者として行くよう命じられる。元来酒ぐせが悪かった太兵衛に「酒を勧められても、決して飲んではならぬ」と厳重に禁酒を言い渡す。着くと福島政則はちょうど祝い事のまっ最中。酒を勧められるが、断固として断る太兵衛。三升は入る大杯にとくとくと酒を注いで、これを飲み干せば、何でも好きなものを褒美にとらすと政則。それでも主君の命に背くと断る太兵衛に政則が「酒豪と噂の太兵衛さえ、これしきの酒を飲む自信がないとは、黒田の侍も大したことはない。」と。藩を侮辱する言葉に、藩の名に懸けてと仕方なく飲むことに。一息に飲み干したうえ、さらに二杯も飲んでしまう。飲み終わると褒美をいただく約束をと一本の槍を指した。それは福島家の家宝「日本号」いう名槍。「武士に二言なし」とその槍を譲り受けた太兵衛は意気揚々と帰っていったと。

黒田節の中で、「日の本一のこの槍」とうたわれた槍。元をたどれば天皇から賜り、次々に天下人の所蔵となった名槍というだけでなく、太兵衛自身はおろか藩の威信をかけて飲み取ったという意味でも、まさしく「日の本一」であったろう。だが、その時のお酒は、どんな美酒であろうと、味わうなどとは程遠いものだったに違いない。

そんなお酒ではなく、落ち着いて味わって飲めるようなお酒。何かと不安材料の多い今の世の中だけに、ひと時心穏やかに過ごすことは大切。

お酒を「富水」と呼ぶと聞いたことがある。お酒を飲むと、心が豊かになるということだと。その舞台装置のような素敵な酒器があったなら、一層おいしいお酒になることでしょう。そんな酒器に出会っていただけたら…。


(藤)


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