漆芸 池田晃将展 作品紹介

本当に今年は全てがあっという間に過ぎていきます。
気付けば街を歩く人達の装いも半そでから長袖へ……そして、爽やかな色合いから、少し秋を感じる色合いへ変化しています。

少し装いに変化を付けたくなって久々に母のクローゼットへ滑り込むと、子供の頃、まだ両親と川の字で寝ていた頃に使っていた桐の箪笥が奥に納まっていました。その箪笥の取っ手の金具周囲などには、唐草のような形にカットされた貝がはめ込まれ装飾されています。
見る角度によって様々な色に輝くその装飾が、子供の頃の私には魅力的で、よく撫でては眺め……撫でては眺め……していたっけ。
一瞬の内に子供の頃にタイムスリップしたような不思議な感覚になりました。


さて、今週の金曜日からは、そんなタイムスリップも叶えてくれそうな『漆芸 池田晃将展』が始まります。
古典的技術の中に、最新の技術を駆使した、今の時代を捉えた漆芸作品は、デジタルの迷路に迷い込んだかのような不思議な世界観が拡がり、大変魅力的です。

夜光貝などの光沢のある貝を通常よりも薄く仕上げ、細かなパーツをレーザーカットで創り出します。
作品ひとつひとつは掌に納まるような大きさですが、その限りなく繊細な仕事の集積は、どこか別の世界へ連れて行ってくれそうな力を持っています。

それでは、作品の一部をご紹介させて戴きます。
尚、一部DM掲載作品につきましては、ご売約済みのものが含まれます。予め、ご了承下さいませ。


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DM4:百千流金寸八棗
(ヒャクセンリュウキンスンパチナツメ)

切っても切れない時間の鎖が溢れだすマグマのように、棗のてっぺんから噴き出してきているように見えます。
流れるうちにその熱は冷め、青く変化していくような、不思議な動きを感じます。


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DM5:光脳四面塚香合
(ヒカリナズキヨツメンズカコウゴウ)

古代ピラミッドを思わせる四角錐。
古代エジプトでは星や太陽の力を時間や方角や暦など様々なことを導き出すために使ったとか……。
本作品は、その辺の周囲を流れ星の様な細線が走り、宇宙的感覚を感じます。
蓋を開けると底面に数字が中心に行くにつれて小さく変化するように配されています。
時代や国境をも跨ぐような作品。


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DM1:七彩六角尽中次
(シチサイロッカクヅクシナカツギ)

細かな六角形のパーツが見事に並んだ中次。
六角柱の辺の部分には、金色に輝くパーツ。
面の部分には青や紫がかった色まで、様々な美しい色が整列します。

池田先生の作品が、このように美しい色を放つのは、貝の厚みを極限まで薄くすることにあります。
一般的には0.2㎜ほどある厚みを、池田先生の作品では0.08㎜ほどの厚さまで薄く加工します。
限りなく薄くすることで貼る塗面の漆の黒を透かせ、彩色だけを際だせることが出来るそうです。


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DM2:電光機巧三角飾箱
(デンコウキコウミツカドカザリバコ)

サブカルチャー的ものからインスピレーションを得ると仰る池田先生。
本作品は、戦隊物のレンジャーの変身アイテムのようなデザイン。
それでいて、漆や螺鈿の上品な輝きが落ち着きを放っていています。
中を開けると六角形を三つ組み合わせたような毘沙門亀甲文(びしゃもんきっこうもん)が並びます。
外と中の印象の違いも、現代と古き時代が組み合わさったようで大変面白く感じます。


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DM3:閃光碑飾箱
(センコウイシブミカザリバコ)

碑とは、人類が何らかの目的をもって銘文(碑文ともいう)を刻んで建立した石の総称。石碑
飾り箱の中心には楊枝の先くらいの本当に細かなパーツが湧きだすように敷き詰められ、そこから電気が走るように様々な形のパーツが張り巡らせてあります。
漆の仕上げも光沢の有り無しを組み合わせることで立体感があるようにも見えて来ます。
箱の中も大小のパーツが美しく配してあります。


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2:Error403-meme-

本作品は美しい立方体に、様々な色の数字を敷き詰めた作品。
この様な数字のシリーズは特に、何千個と用意したパーツの中から特に色の綺麗なものだけを厳選して使用することにより、美しさを凝縮して作られている。

題名の「Error403-meme-」にあるように、その美しさのリズムを狂わせるように所々が欠けたように作られている。
“美しきもの”と“朽ちゆくもの”の融合した、相反するものの美しさを考えさせられる作品。


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3:透彩流水文香合

流れるような細線の集積の中に流水紋が描かれている。
真っ直ぐなものの中に曲線が描かれる、その動きの変化も面白い。





全ての工程に、30ほどの工程を踏む上、漆を乾かす時間も必要。
小さな作品でもひとつに3ヶ月近くかかるそう。

その小さな世界の中には、様々な要素が含まれています。

古典的な技法と、最新技術の融合。
古典的な柄と、今までになかったような柄の組合せ。
伝統的技を現代に生かし、そして未来へと繋ぐ、そんな作品たちばかり。

Blog内でご紹介出来る作品は限られていましたが、あと数点、当日に先生が納品して下さる予定になっております。
また、会期中は先生も終日ご在廊される予定です。

どうぞ、その不思議な世界に飛び込みに遊びにいらしてください。






(葉)




 【漆芸 池田晃将展】 
Exihibition of IKEDA Terumasa
開催期間:2020年9月18日(金) ~ 2020年9月22日(火)
Exhibition : September 18 to September 22, 2020




池田 晃将  
IKEDA Terumasa

1987 千葉県出身
2014 金沢美術工芸大学 工芸科 漆・木工コース卒業
2016 金沢美術工芸大学大学院 修士課程 修了
2018 当苑にて 特別企画「なつめ」 出品
    秋元雄史監修 「もう一つの工芸未来派」出品
2019 金沢卯辰山工芸工房 修了
2020 令和時代の超工芸 和巧絶佳展 出品
現 在 金沢市内工房にて制作



<販売について>

・DM掲載作品は会期前にご予約を承っております。
・DM掲載外作品は当日ご来苑のお客様に優先でご紹介いたします。
・当日整理券をお配りし、お一人様一点までとさせていただく場合がございます。

展示会期間中の【入場人数を制限・検温】をさせて戴く場合がございます。
また、店内では、マスク着用の上、手指の消毒をお願いしております。

ご不便をおかけしますが、ご了承いただけますと幸いです。
ご不明な点がございましたらお問合せくださいませ。



 京橋 魯卿あん 
 Rokeian
〒104-0031 中央区京橋2-9-9
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