魯卿あん便り~九谷風徳利

魯山人先生は大正4年(1915年)ごろから金沢の文人細野燕臺の紹介により、加賀山城温泉の旅館などの濡額・篆刻を多く手掛けるようになります。その中には初代須田菁華先生の「菁華窯」がありました。魯山人の篆刻した「菁華」を大変気に入った初代菁華先生は魯山人先生を招き入れます。写しの名人として名高く、古染付や古九谷などの翻案を多く手掛けていた菁華先生。ここで魯山人先生は初めて作陶というものを見、焼き物に赤呉須などで絵付けをする体験をします。その後も星岡茶寮時代以降も赤絵の作品に挑まれています。

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今回の作品は沢瀉(人によっては河骨とみることも)が動きのある筆致で描かれ、線の強弱を巧みに操るさまは魯山人先生ならではと言えましょう。さらにこの徳利はこの同種の作品と違い、沢瀉文が描かれる画面が広くとられているのも特徴で、
より作品にダイナミックさを与えてくれます。

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<参考作品>

一対の作品なので飾徳利の側面が強いですが、
同じ魯山人先生の盃と合わせて酒器として使うのもまた一興です。
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作品
<魯山人先生 九谷風トクリ ニ 共箱>
<魯山人先生 赤呉須馬上盃 ニ 陶々菴識箱>

参考文献
「魯山人 心と作品」(黒田領治著 雄山閣 1983年)
(申)
<しぶや黒田陶苑HP>
<Facebook>
<黒田草臣ブログ>

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