さやけさ
今日は7月最後の31日。本来なら、今頃は暑さを凌駕するほどのアスリートたちの熱い熱い競技が毎日行われている最中であったはず。しかしながら、新型コロナウィルスの世界的な広がりにより延期。そして、記録的な雨量によって被害を拡大している長い梅雨の影響で、へたるような灼熱の暑さが封じられ、日照不足で農作物の凶作の心配も出てきた。どちらも、人間がすぐさま抗える相手ではないが、少しでも良い方向に向かうことを願うばかりです。
そんな不安な気運をなだめてくれるような展示『コレクターのまなざし ~柴山勝特集~』を本日より開催しております。この様な時期にこそ相応しい作品が並びます。オンラインでも全作品をご紹介いたしますので、是非ご覧ください。先生の作品、見れば見るほど生きとし生けるものが実に細やかに温かな眼差しで描かれていると感じる。そして、柴山先生の作品名は心惹かれるものばかりだ。陶芸家でいらっしゃる先生は、画家であり、植物・動物・魚・昆虫・・・すべての生き物の観察者であり、そして詩人でもいらっしゃると、個展の度に思う。
今回の展示で、特に気になった作品名が「かげのさやけさの図」。
15 色絵銀彩花入「かげのさやけさの図」 共箱
“さやけさ”、こんな風雅な響きを久しぶりに聞いた。
と同時に、古文の授業で習った活用が頭の中を横切った。未然・連用・終止・連体・已然・命令。すらすら言えることに我ながら驚いたが、試験に出るからと、うんざりするほど何度も唱えさせられたお陰。「くー くー しき けれ ・・・」と続く呪文のようにブツブツ覚えたク段活用は、さておいて、“さやけさ”は形容詞“さやけし”の体言の形だろう。
“さやけし”は、光がさえて明るい、音や声が澄んで響く、清明であるといったことを表す。
その意味を踏まえて、もう一度先生の作品である花入を見ると、白樺だろうか、こちらの木はカラマツ?幹の太さの影が描かれている。先生の目に映った木立の中の、まさしく木々の影の“さやけさ”が伝わってくるようで、今にも囁きが聞こえてきそうな気がした。
(藤)
『コレクターのまなざし ~柴山勝特集~』
Collector’s Eye Exhibition of SHIBAYAMA Masaru
2020年7月31日(金) ~ 8月8日(土)
https://www.kurodatoen.co.jp/current_exhibition/
※掲載作品の中にはご売約となっている作品もございます。
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