硝子 益田芳徳展 ~作品紹介~

先週、東日本大震災より9年を迎え、改めてあの日以降映像で流れた痛ましい光景を思い出し、衝撃的な胸の痛みを感じました。
普段はキラキラと光る美しい水面も、時として想像がつかないような勢いを持って意思を持って動く生き物のように立ち上がるのだということを知りました。

さて、今週の金曜日からは、走泥社創立に関わったお一人である硝子作家、益田芳徳先生の作品を集めた『硝子 益田芳徳展』が始まります。
硝子と言うと、どこか繊細でそっと扱わないと今にも壊れてしまいそう……そんなイメージを持ちます。
しかし、益田先生の手に掛かると、地の底から突き上がるマグマのような強さとなったり、ゆらゆらと生きているように揺れる動物のようになったり様々に表情を変えます。それは、どこかあの日の波の動きのような計り知れない可能性を感じるものです。

惜しくも10年前にご逝去された益田先生ですが、作品は今もなお生き続けています。
では早速、作品をご紹介させて戴きます。


【オブジェ】
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1:オブジェ 臍の緒
Object, Umbilical cord
球体と半球体が管のようなもので繋がった不思議なオブジェ。
そのくの字に曲がった姿が、お腹の中にいる胎児のようにも見え、“臍の緒”と言う銘にも納得。

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DM2:作品
Artwork, Vessel
揺らぎの始まりのような、静かな中に動きのある壷形の作品。
風に揺れる帽子のブリムのような口造りに、左右不対称の胴、口に行くにつれて深くなるやや紫がかった烏羽色 (からすばいろ)のグラデーションは、深い海の中の静けさのよう。
置いて戴く場所の光の加減で、雰囲気が変わるのも愉しみたい。


【茶道具】

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DM4:作品
Artwork
波の一部を切り取ったような動きのある作品。
結界として造られたようですが、敢えてそうとは語らず「作品」としているのも先生ならではの拘り。
約90㎝程の大きな結界は、お茶席に設えてお使い戴けます。
波打つような光の影も面白い。置き方や角度によって、微かに虹色が出たりもして印象的なお席になるかもしれません。


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DM5:水指
Water Jar
こちらも小さな手を広げたクリオネのような水指。
海の色が透けて見えるようなブルーから紫へのグラデーションが心を静めてくれる。
たっぷりとお水をはった茶席で、取り扱う度に揺れる波紋の動きや影までも美しい演出となって愉しめそう。

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DM6:茶碗 Tea Bowl
DM7:茶入 Tea Caddy
水中を漂うクラゲと、泡(あぶく)のようなお茶碗と茶入れ。
高台のオレンジから口に向かうにつれて深い緑色に変化するグラデーションが美しい。

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12:茶碗 Tea Bowl
金箔を貼って膨らませたお茶碗はゆらゆらと波打った口作り。
落ちた影が何とも美しいお茶碗となっている。

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15:茶碗 Tea Bowl
16:茶器 Tea Caddy
オレンジから紫へと変わる、黄昏時のような色合いのお茶碗には泡(あぶく)が三つくっ付いてしまったような紫色の茶器を併せてみました。



【酒器】

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18:徳利 Tokkuri/19:徳利 Tokkuri
青碧色の深い緑色の徳利には、口元とお腹に 芥子色が使われている。

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22:千代久 Cup/17:徳利 Tokkuri
赤味の紫色の徳利とお猪口のセット。


【花入】

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6:花入 Vase
大きなツバの帽子をかぶった貴婦人のような掛花入。
垂れたブリムが何とも言えない表情となる。

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7:花入 Vase
沢山の幸せが詰まった袋のような花入。
こちらも掛花入になっている。

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8:花入 Vase
黄金色のベルトで飾られた花入。
どんなお花も受け入れてくれそうな作品。


【文具】

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DM3:硯 
Ink Stone
硝子の硯を見たのは初めてでした。
透き通った瑠璃色の土台に、不透明の白い硝子が重なっています。
熱を帯びているうちに2色を張り合わせ、押しつぶしたようなトロリとした形は、深海に住む青いウミウシ(アオウミウシ、アンナウミウシ、ミスジアオイロウミウシ等)の軟体動物のようです。ちょっと驚くかもしれませんが、伊豆近辺の海でも見られる、とても美しい神秘的で美しい生き物です。
知的な白と青の色目が、墨をする間に、気を整えてくれそう。

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21:硯 
Ink Stone
万年筆のインクが入った小瓶のような硯。
似たような形の先生が実際に使われていた硯を洗って、実際に会場入り口にてお使い戴けるようにご用意しております。


【その他】

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10:鉢 Bowl
何とも言えない青緑色の鉢は、仁淀ブルーのような色を存分に愉しめる。




 ◆併設 益田有希子展◆ 

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今回は末娘さんでいらっしゃる益田有希子先生の作品も併設して展示しております。

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Y14:glass 2 / Y13:glass 1
風に乗った春が巻き付いたような美しいグラス。


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『有希子の絵本 太陽さまとお月さまの涙』
会場には有希子先生が書かれた絵本も置いてあります。








※尚、図録、DM掲載外の作品に関しましてはご予約は承れません旨、予めご了承下さいませ。

(葉)


 硝子 益田芳徳展 
Exhibition of MASUDA Yoshinori  
開催期間:3月20日(金) ~ 3月24日(火)
Exhibition : March 20 to March 24, 2020

 益田有希子硝子展 
Exhibition of MASUDA Yukiko  
開催期間:3月20日(金) ~ 3月24日(火)
Exhibition : March 20 to March 24, 2020

営業時間:11:00~19:00


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会場

益田芳徳
MASUDA Yoshinori
【陶歴】
1934年  東京都に生まれる
1948年  利根山光人に絵画を学ぶ
1954年  上越クリスタル硝子株式会社にてガラス制作を始める
1971年  走泥社同人となる(1998年解散)
1977年  「現代日本の工芸の秀作展」(東京国立近代美術館)
1980年  「日本クラフトデザイン展」優秀賞
1981年  「KASSEL'81-世界ガラス100人招待コンペ」カッセル(旧西ドイツ)
1983年  「朝日現代クラフト展」審査員奨励賞受賞
1986年  「日本のガラス300年展」(サントリー美術館)
1995年  ニューヨーク高島屋にて個展開催
1997年  「Made in Japan」(GLASMUSEUM,デンマーク)
1999年  「日本のガラス2000年展-弥生から現代まで」(サントリー美術館)
2001年  作品をバチカンに謹呈
2010年  死去

【History】
1934 Born in Tokyo
1948 Studied painting under TONEYAMA Koujin
1954 Started making glassworks at Joetsu Crystal Glass Company
1971 Became a member of Sodeisha
1977 Exhibited works at “Selected craftworks of Contemporary in Japan” at Tokyo National Museum of Modern Art.
1980 Won the best prize at “Japan Craft Design Exhibition”
1981 “KASSEL'81-Competition by 100 glass artists” at Kassel in Western Germany
1983 Won a prize at “Asahi Modern Craft Exhibition”
1986 “300 years of Japanese Glass” at Suntory Museum
1995 Held a solo exhibition at Takashimaya Department in New York
1997 “Made in Japan” (GLASMUSEUM, Denmark)
1999 “2000 years of Japanese glass” at Suntory Museum

益田有希子
MASUDA Yukiko
【陶歴】
1991年 宝仙学園短期大学クリエイターコース油絵科卒業
1998年 「太陽さまとお月さまの涙」絵本出版
2006年 「上海朱屹瞻芸術館」に於いて絵画展
2016年 「JGAA ガラスの波紋」小田急百貨店新宿個展
2017年 「ガラスであそぶ夏の茶会」渋谷東急本店
    「ガラスであそぶ夏の茶会」新宿京王百貨店
2018年 第14回'18日本のガラス展
2019年 21世紀アートボーダレス展 ガラス部門出展 国立新美術館



 京橋 魯卿あん 
 Rokeian
〒104-0031 中央区京橋2-9-9
TEL: 03-6228-7704 FAX: 03-6228-7704
http://www.kurodatoen.co.jp/rokeian/
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