春を待つ
例年よりもかなり早い桜の開花予想ではありましたが、期待通りに蕾が膨らんできているのを眺め眺め、ついに先日、花が開いた枝を見つけました。皆さまももうご覧になられたでしょうか。
雪が降ったり、急に強風となったり、あられが降ったり竜巻となった地域があったりと、もぞもぞと目覚め出てきたばかりの地中の命にとっても厳しい生への洗礼となりましたが、そうやって彊く逞しい命を育てていくのかもしれません。
さて、今週の常設作品からのご紹介は、「春」をテーマにして滝口和男先生のもの。
当苑の滝口先生の作家ページには小さなオブジェが数点紹介されていますが、本日はオブジェではなく、実用の器です。
『春を待つ』
13.2 /7.6/H10.0cm
94,600円(税込)
手びねりの造形と鉄釉の窓の中に描かれた色絵は、自由で楽しげな雰囲気をまとっています。
![]()
![]()
上部に小さく描かれているのは遠景は、うさぎや馬(ユニコーン?)からの視点でしょうか。
『春を感じて』
7.0/H8.5cm
66,000円(税込)
![]()
内部の赤い地球の中から何かが沸き立ってくるよう。
その「何か」が、生を受けて、形をとったものが、描かれた桜の花びらなのか…これも一輪挿しですが、こころなしかその造形は花びらのようです。
ぽろっと落ちてきた雨粒を地面ぎりぎりで包み込んだようでもあり、その包容力は、どんな花を生けても活かしてくれそうな柔らかさです。
![]()
『夕暮れに花を感じて』
6.0/H9.6cm
50,600円(税込)
見上げた夕空に満開の桜が見えるようになるのは、実際にはまだ少し先でしょうか。
そんな季節を思って蕾を付けた細い枝を生けたいような一輪挿しです。
ぼんやりと薄暗い風景に、こっそり隠れているのは…
よくよく、ご覧ください。
ウサギがちょこんと、います。
物の影に人が見えるかどうかが大切なのだと先生は仰います。
箱書きの字のような強烈なエネルギーで観ている者を先生の世界に引きずり込まれ、作品のもつ楽しさ、これを楽しもうとする気持ち、楽しませたいという先生の思いを感じます。
日々の出来事に忙殺されそうになる時にも、風にたなびく綿毛がそっと撫でるように優しく、微かで小さな喜びを感じられるような、そんな豊かな心を育ててくれるような作品です。
他にも作品がございます。
お問い合わせ・ご予約はこちらまで