『大桐大 新作展会』 ~作品紹介~

とうとう今年の暦も12月となってしまいました。
灼熱の夏から、連続の大型台風に続いて、そのまま秋の長雨に突入。
穏やかな秋を愉しむ間もなく、一気に冬になろうとしているようです。
ただ、やっとこの冷たい空気になってきたとも言えるようで、例年よりも紅葉は遅いでしょうか。
先日も街路樹から落ちた微妙に違う黄色から茶にかけての美しい色の葉の重なりに、思い出した1枚の写真があります。

4年前に新しく窯を作られた際の大桐大先生の窯の写真です。
少しづつ違う黄ベージュからオレンジや茶色にかけてのレンガの色合いが大変美しく、印象に残っている1枚です。

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さて、話題に上がりました大桐大先生の個展『大桐大 新作展会』が2年ぶりに開催されます。
秘密の森から抜け出してきた妖精のように、大きな体を「フッフッフッ」と揺らして愉しそうに笑う先生ですが、その反面、細かな気配や雰囲気を敏感に感じ取るような繊細さもお持ちです。
そんな先生から生まれる作品は、一見大らかで穏やかな作品ですが、良く見ると細部に至るまで作り込まれたような緊張感が感じられます。
2年経った今、どんな作品が誕生したか、愉しみでなりません。
では、早速作品をご紹介してまいります。


【花入】
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1:紅炻壺
香ばしく焼けたパンの薫りが漂って来そうな大きな壷。
ふっくらと丸く三ツ山になった膨らみが、幸福な気分をもたらしてくれます。

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12/13:立壺
こちらはお豆のような丸味を持った壷。
窯変し、青味を帯びた壷はそら豆。
備前土らしい赤味の壷は花豆のような愛らしさがある。

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8:炻壺
50㎝以上も高さのある煙突のような壷。
吹き抜けのあるスペースに置いて、大きな枝物を飾ったら素敵そう。

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4:立壺
卵型の壷がひっくり返ったように見える壷。
壺の正面の底部だけ削りが入ることにより、卵型の壷が宙に浮いているように見える。

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7:炻壺
今まで無かった焼き上がりの壷は、下が墨壺に浸かったように黒く変色している。
太古の人々が野焼きで作った焼き物のような、原始的な雰囲気さえうかがえる。

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5/6:花壺
名前の通り、モクレンの花のように柔らかに花開く。
その肉厚の花びらもまた、穏やかな雰囲気となり心和ませてくれそう。


【酒器】

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24:徳利 / 37:ぐい呑
張りのある林檎のような徳利は底部に面白い刻みが入る。
ぐい呑の窯変の色も美しい青に胡麻が掛かって複雑で面白い。

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39:ぐい呑 / 27:徳利
腰の低いぐい呑には抜けとその周囲に黄胡麻が掛かって見応えがある。
自然釉の優しい色合いの徳利は洋梨のような安定感がある。

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32/34/30:酒器
先生独特の削りのお仕事で片口を作って下さいました。
お酒が苦手な方は蕎麦汁を入れて使ったりするのに丁度よさそう。

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23:徳利 / 44:ぐい呑
こちらも足に刻みが入った徳利と、見込みの景色が美しい平盃を併せてみました。

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48/38:ぐい呑
筒型のぐい呑も穏やかな色形が素敵です。

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41/38:ぐい呑
こちらはぐい呑の足元に刻みが入ったもの。
左は風車のように、右はどこかの家紋にありそうな三枚の羽のようになっている。

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50/58:陶皿
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56/57:陶皿
毎回楽しみにしている先生の陶皿。
上の2枚はマットな仕上がり。複雑な土色が混ざって、天然コルクのような美しさ。
下の2枚は緋襷が踊り、まるで絵画のよう。
裏には三つ足が付いて軽やかな仕上がり。







先生の作品を拝見して連想するのは、どこか美味しそうな食べ物ばかり……。
私が食いしん坊なだけとも言えますが、以前のお仕事の時にも“美味しそうな色やものは売れる!”と言うジンクスのような言葉がありました。
美味しいそうな色やモノは、幸福感を満たし、購買意欲をそそる人間の心理をくすぐるのだとか。

先生ご自身は作る際に具体的なモチーフを決めて作られているわけではないようですが、“果物のような自然そのものの美しさ”や、“連想するものによる幸福感”など、見て戴く方に自由に感じ取って戴きたいとお考えのようです。

先生も最終日までご在廊予定です。
どうぞ皆様にも作品をご覧戴いて、沢山の感想をお聞かせ戴けましたら幸いに存じます。
私の連想したモノをお話ししたら、きっと先生に笑い飛ばされるに違いありません……。
















※尚、図録、DM掲載外の作品に関しての事前のご予約は承れません旨、予めご了承下さいませ。
(葉)


 大桐大 新作展会 
Exhibition of OGIRI Tai
開催期間:12月6日(金) ~ 12月10日(火)
Exhibition : December 6 to December 10, 2019
営業時間:11:00~19:00




大桐 大
OGIRI Tai
【陶歴】
1967年 岡山県に生まれる。父親は大桐國光(彫刻家)
1989年 大阪芸術大学を卒業する
1990年 原田拾六に師事する
1995年 独立し、築窯
2000年 当苑にて個展を開催
【History】
1967  Tai Ogiri was born in Okayama. His father, Kunimitsu Ohgiri, was a sculptor.
1989  He graduated from Osaka Geijutsu Daigaku (Osaka University of Arts).
1990  He studied under Shuroku Harada.
1995  He became independent and built his own kiln.
He has been holding solo exhibitions at our gallery since 2000.



 京橋 魯卿あん 
Rokeian
〒104-0031 中央区京橋2-9-9
TEL: 03-6228-7704 FAX: 03-6228-7704
http://www.kurodatoen.co.jp/rokeian/
営業時間:11:00~18:00 定休日:日曜日・祝日



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