デッサンのやきもの 『ひとりたのしむ 昭和巨匠陶藝逸品展』より

「昨冬炬燵の中で土をいじっていましたところ、
 同郷の荒川先生が来られ私が焼いてみましょうと持ち帰られました。
 出来上がったのを見て、すっかり面白くなりつい夢中になって香合五、六十を作りました。」

歴史画、風景、花鳥画…幅広い分野で傑作を残す前田青邨先生。大正昭和の日本画壇を代表する青邨先生はまた、手すさびに陶芸作品を作っておられた。

同じ岐阜県出身の荒川豊藏先生とは2歳しか年も違わず(豊藏先生の方が歳下)、話も合ったのだろう。
陶土を送って貰い「炬燵の中で土をいじ」り、作品が出来ると豊藏先生に送り、施釉・焼成をして貰っていたという。

1962年(昭和37年)、日本橋三越で『前田青邨先生喜壽記念陶展』が行われる。
青邨先生の手造りによる魚や鳥、栗鼠や猫、蝸牛など香合がメインで、豊藏先生も賛助として志野や瀬戸黒の作品を発表している。


_DSC7460.jpg
前田青邨先生 稚児文殊

本作もこうした一連の作品の一つと考えられる。

子供の姿をした文殊菩薩。大きな獅子に跨りながらしっかりと前を見据えている。
あくまでもその姿はスケッチのように単純化されたものだが、掌に生まれくる姿を愛おしむ青邨先生の笑みが伝わってくるような温かさが感じられる。手に取り仔細に眺めると稚児の装束や獅子の尾の彫りなど、細かな描写に日本画家としての眼の鋭さを垣間見ることが出来る。


_DSC7462.jpg

_DSC7463.jpg

_DSC7467.jpg

_DSC7469.jpg

※作品についての詳細は こちら もしくは電話 03-3499-3225 (しぶや黒田陶苑)までお気軽にお問合せ下さい。


【ひとりたのしむ 昭和巨匠陶藝逸品展】 2019年12月13日(金) ~ 12月24日(火) ※19日(木)定休
_DSC7426.jpg

(巻)
※無断転載、再配信等は一切お断りします
しぶや黒田陶苑のホームページに戻る
黒田草臣ブログはこちら
Instagram ページはこちら
Twitterページはこちら
Facebook ページはこちら