『菊池克展』 ~作品紹介~

ふと真夜中に外に出て見上げた空には、冬の星座であるオリオン座が瞬いていました。
そんな些細なことに気づいた時、少し遠くに暮らすことになった友達の顔などが思い出されます。
今回見上げた静かに、優しく瞬く星を空の下では、大分に行った穏やかな友人の笑顔を思い出しました。
その友人もやきものが好きで。大分に行く前に話題にした作家さんがいらっしゃいます。

大分の国東で作陶をされる菊池克先生です。
東京で生まれ、後に留学先のスペインの美術学校で陶芸を学び、陶芸家になることを決められ、帰国後、故・中川自然坊先生の元で修業されました。
2014年に当苑で初個展をされてから5年。
今週の金曜日から『菊池克展』が始まります。

様々な表情の茶碗や、酒器、花入や食器に至るまで。
また、ユニークなデザインの作品も揃って、毎回先生の個展は愉しさが詰まっています。
今年は、どんな作品を届けて下さったでしょうか。
多くの作品の中から、幾つかピックアップしてご案内いたします。



【酒器】
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108:荷盞 / 80:瓢形斑徳利
陽の光を優しく受け止めたような蓮の葉の盃の隣には、スリムな瓢徳利が並びます。

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174:粉引耳盃 / 172:三島徳利
細かく縦に並ぶ柄は三島の中でも“暦手”と言われるもの。
この一本を手にすれば、日々の暮らしを大切に過ごし、一日を終えられそう。
可愛い小さな耳を付けた盃も愛おしさが増します。

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81:斑盃 / 57:掛分盃 / 103:瓢形斑徳利
表情のある斑の徳利には、少し面を取ったような掛分の盃や、同じく様々な色を見せる斑唐津の盃を合わせてみました。

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112:黒釉盃 / 55:掛分盃
実際に見ると味わい深い表情の黒釉のキリッとした盃と、少しおにぎり型に歪ませた釉流れの美しい掛分の盃。

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111:彫三島盃 / 165:粉引徳利
彫の強弱のリズムが面白い三島の盃には、優しく包み込むような粉引の徳利。



【茶碗】
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61:荷葉茶碗
何とも言えないニュアンスの蓮の葉のお茶碗。
季節を終えて、朽ちる過程の儚い美しさを凝縮したよう。

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82:斑茶碗
温かな雰囲気の斑のお茶碗。
季節の花の薫りがフワリと香ってきそうな、優しさを感じる。


【食器】
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131・132:粉青皿
十字に切ったように掻いた模様のお皿。
赤みの土に白の粉引。焼きの具合でややグレーに変化していたりと面白い。

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93・94:黄釉皿
同じ黄釉のお皿ですが、全く雰囲気の違う仕上がり。
表が茶色い方は、裏が柿色。
柿色の方は、裏を返すと茶色。
使うことを想像すると、それだけでも何だか愉しくなってきます。

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16:掛分瓢形皿(小) / 7:瓢形皿 / 20:掛分瓢形皿(小)
可愛らしい瓢形のお皿は大小、そして黄釉のモノがある。
掛分の皿の釉は美しく、踊るように色が流れている。

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124:輪花皿 五客
粉引の輪花皿はフワリと開いた柔らかな花びらのようで、形と雰囲気がピタリと合っている。

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85・91・90:刷毛目楕円皿
自然坊先生を思わせる刷毛目ですが、やはりそこは克先生の優しさが少し柔らかな筆の動きにさせているようです。

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141・138:蜃気楼向付
昨年から作られている蜃気楼の向付。
古代中国で「蜃(しん)」という蛤(はまぐり)の怪物が「気」を吐いて「楼」を出現させたという伝説を表しています。

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67・68:彫三島湯呑
好い雰囲気の湯呑は、大きさも重さも、掌への納まりも心地よい。
きっと一番身近なお供になるに違いない。



【花入】
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76:荷葉水盤 / 161:蓮乃実形花留
大きな蓮の葉の水盤は大らかな雰囲気が気持ちいい。
蓮の実のをモチーフにした花留を使って花を活けてみたくなる。

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171:斑壺
嫋やかな膨らみの壺に克先生独特の斑釉が掛かります。
優しく花を受け止めて、活き活きと見せてくれそう。


【文具】
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155:粉青皿陶硯 / 185:粉青蔵形筆架
先生の大事な文具のお仕事。
陶硯には、こちらも先生の大切にされているモチーフの鳥があしらわれている。
可愛らしい蔵形の筆置きも、なかなか普段手に取らない筆を取るきっかけとなりそう。

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159・158・157:バンダジ形水滴
李朝家具のバンダジ型の水滴。
細かい金具や釘の一つ一つも見て取れて、大変面白い。





ここ数年の先生の作品より、より一層使い勝手が良さそうな“用”を考えられた作品のように感じます。
また、文具などは先生のお好きな世界観がふんだんに取り込まれ、愉しさが詰まっています。
先生も最終日まで御在廊予定です。
作品を前に先生とお話しながら存分に作品を堪能して戴けますと幸いです。






※尚、図録、DM掲載外の作品に関しての事前のご予約は承れません旨、予めご了承下さいませ。
(葉)


 菊池克展 
Exhibition of KIKUCHI Katsu 
開催期間:11月8日(金) ~ 11月12日(火)
Exhibition : November 8 to November 12, 2019
営業時間:11:00~19:00


菊池克
KIKUCHI Katsu
【陶歴/ History】

1972 東京生まれ
1996 青山学院大学経済学部卒
    スペイン留学 美術学校で陶芸を学ぶ
2001 中川自然坊に師事(唐津)
2008 大分・国東に登り窯を築窯
2010 初個展(別府・三昧堂)
2012 個展(京都・川口美術)
2013 韓国・通度寺にて作陶
2014 個展(東京・しぶや黒田陶苑)
    他 各地で個展・グループ展を行う

1972 Born in Tokyo.
1996 Graduated from Aoyama Gakuin University, department of Economics. Studied in Spain afterwards.
2001 Trained under NAKAGAWA Jinenbo.
2008 Built his own climbing kiln in Kunisaki Peninsula, Ohita.
2014 Held his first exhibition at Shibuya Kurodatoen.
He has been holding solo exhibitions and joined group exhibitions in various places.



京橋 魯卿あん
Rokeian
〒104-0031 中央区京橋2-9-9
TEL: 03-6228-7704 FAX: 03-6228-7704
http://www.kurodatoen.co.jp/rokeian/
営業時間:11:00~18:00 定休日:日曜日・祝日

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