停電とお茶

一昨日のこと。当苑で水曜に行われている朝のミーティングが終わって、京橋の魯卿あんに向かうべく、渋谷駅へ。が、いつもと駅の雰囲気が違う。それもそのはず、銀座線に乗る改札口へ行く階段が暗い!階段だけでなく、建物自体が暗い。照明が全く点いていないのだ。外から入る自然光で、かろうじて真っ暗ではないものの、足元に気を付けながら階段を上がる状態。電車は大丈夫かと心配になったが、こちらは無事に動いていた。あとで、デパートの入っているビル全体が午前7時から停電し、開店時刻にも復旧せず、発生から約6時間半後に営業を再開したことをニュースで知った。原因はハッキリとせず、電気設備の不具合の可能性とみて究明中だとか。久しぶりの停電体験であった。


『極上の湯碗展』が始まりました。今回も、先生方の力作の湯碗が揃いました。

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展覧会のタイトル通り、右を向いても左を向いても、まさしく先生方の作品の競演です。

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目移りがしそうな程、素晴らしい作品が並びます。

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店のシャッターの開く前から並ばれて、お目当ての湯碗をいち早く見つけられた方。一点を決めるのに、どちらにしようか迷われ、店内を一巡二巡した後「これにします!」と決断される方。どちらにせよ、お気に入りを見つけられて、手に取る時のお客様の表情は、どなたも幸せそうで、こちらも嬉しくなります。

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隣のスペースにも、物故巨匠作家の作品が並びます。

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床の間

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軸: 富本憲吉 「古清水鈴茶碗文句」

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掛け軸の軸先に富本先生の美しい色合いの磁器の風鎮が付いています。右側に「貴」、左側に「冨」の字。どちらも、おめでたい。

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停電で思い出したことがある。2011311日の東日本大震災の後、計画停電が実施され、しばらくの間、夜も電灯の恩恵に預かれない日々が続いた。昼間の時間帯であれば何とかなったが、夜実施されると不自由極まりなかった。暗いのはもちろんだが、自宅の中の見慣れた物さえ、照明に照らされている時と否とでは、まるで別物に見え、距離感すら狂った。その時、懐中電灯の他に使ったのは、我が家にあるろうそく。棒状の白いのから、クリスマス用の金銀の大きなろうそく、花や動物の形をしたのや、時々しかつけなかった香水を練りこんだ「クレオパトラ」なんていうアロマキャンドルも、この時とばかりメンバーに加えた。とにかくありったけの家中のろうそくを灯して、食事をしたりした。

被災された方々には申し訳ないが、電気が供給されないだけでも、不自由という語に鍵括弧が付くくらい、味わった気がした。

だが、そのぼ~っとした光の中で飲んだお茶は、不思議と普段飲むお茶より格段に美味しく感じた。

これからの夜が長くなってくる季節に、たまにはあの時のように電灯を消して、ろうそくや月明かりの下で、お茶を飲むのもいいかもしれない。お気に入りの湯碗で。 


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京橋 魯卿あん

(しぶや黒田陶苑・京橋店)

 〒104-0031 中央区京橋2-9-9 ASビルディング1

 営業時間:11:0018:00

 定休日:日曜日・祝日

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