「栴檀は双葉より芳し」

今年もまた「すずきみやこ(鈴木都)先生の個展があるとお聞きしたのですが…」というお問い合わせの電話を受けた。前回の時にも、先生のお名前を同じ読み方で尋ねられたお客様が何名かいらしたので、二年前の当苑での初個展の時と同じだなあと、ちょっと懐かしく思い出した。

『志野・黄瀬戸 鈴木都展』初日を迎えました。特に酒器をお目当てにされたお客様が開店前から並ばれました。そんな人気のおありの先生ご自身は、前回同様 全く気負いなく実に自然体でいらっしゃいます。


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向付が並んだ棚はこちら。

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酒器がずらりと並んだ棚は圧巻。

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表情の違う徳利・片口。右下の丸みを帯びた片口は小振りな壷のよう。「注壺」という作品です。

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鉢や皿もお作り下さっています。

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輪花の花が咲きます。手前が赤志野・奧が志野。

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黄瀬戸の輪花の黄色い花も。

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今週の花

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軸: 荒川豊藏

花器: 紫志野花入

花: アブラツツジ ・ リンドウ

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アブラツツジ

葉が早くも紅葉し始めています。五,六月にドウダンツツジに似た形の花を房状に咲かせるツツジ。名前の通り、葉の裏が油を塗ったように光沢があります。


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リンドウ

蕾の裾が薄っすらと緑色にぼかしが入った様が美しい白いリンドウ。


今週は三ヶ所に活けております。

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花器: 志野砧花入

花: ムラサキシキブ ・ オヤマボクチ


オヤマボクチはアザミ類に属する形状の面白い花。山菜のヤマゴボウの一種だそう。

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オヤマボクチ


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ムラサキシキブ


こちらは掛花入。

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花器: 赤志野掛花入

花 : ヤマシロギク ・ フジバカマ

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ヤマシロギク

野から摘み取ってきたような楚々とした風情が、いかにも初秋に似つかわしい花。葉に虫食いの跡があるのも、暑かった夏の名残り。


小学生の頃から、当苑の超が付くほどの常連でらした都先生。それほどに好きでいらした焼き物への熱い思いを大人になっても、ぶれることなく、志へと昇華して陶芸家になられた。まさしく「栴檀は双葉より芳し」という諺が相応しい先生。

栴檀(せんだん)は白檀のこと。実際の木を見たことはないが、母からもらった白檀の扇子やお香が気品ある香り。(残念ながら、通年のアレルギー性鼻炎で、現在は香りが嗅げないが南方系の木にしては、材質も良く工芸細工にも向いている木。たしか、お釈迦様は、白檀の木で荼毘に付されたはず。そう聞くだけで、高貴な木と思えてくる。そして、何よりも特筆すべきがその芳香。栴檀の中でも特に香りの強いものは、かなりの悪臭を放つという伊蘭草の林の中に生えるだけで、その悪臭が消え去るとまで仏典に書かれている。そこから、煩悩を払拭する念仏にたとえられる木。

先生も、きっとご自身の周りには数多の雑多な声ともいうべきものたちがあったに違いない。しかし、それらに惑わされることなく、幼い頃から好きでいらした陶芸の道を一途に歩んでこられた。そんな都先生にあやかりたいと、作品を見つめてみるのだった。



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