陶房の風をきく~備前 高力芳照展

当苑で2003年に初個展をされてから、今年でちょうど10回目を迎えられます高力先生。
窯焚き前の8月に陶房へ伺い、お話を伺いました。



●楽しく、そして使いたいと思えるように
「使いたいなあと思えるようなかせ胡麻や窯変の食器も窯出し出来るように楽しく窯詰めをしました。」
とおっしゃるように、人気の酒器やお茶碗以外にも、いろいろな食器が届いています。

また、登窯での火襷にも久しぶりに挑戦され、「いろいろな形、焼けを少しでも楽しく見ていただけるように 一生懸命頑張らないといけないと思います。」と、常に心がけておられることを教えてくださいました。



●手法を変えて
DMに載っている三角花入はひも作りによるもの。より三角になるようにひもづくりにしたのだそうです。

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No.1 三角花入



もう1つ、個展直前に送ってくださった三角花入は轆轤で形成後、叩いて三角に。



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No.47 三角花入
よく見るとタタキの跡が残っています。



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 No.47三角花入 窯詰め前


三角花入もそうですが、電気窯による火襷、登窯での火襷のように、手法を変えて挑戦された作品の違いにもぜひご注目ください。




●修業時代
すでに皆様ご存じのとおり、金重素山先生、有邦先生のもと、7年間修業されました。
修業中はとにかく「目を養いなさい」と言われ続け、轆轤は一切しなかったそうですが、毎日の土づくりや、作品の手入れを始めとする全ての作業が楽しくて仕方なく、一度も辛いと思ったことがなかったのだとか。

目を養うために、素山先生の轆轤仕事を見せていただいたり、京都の美術館にも行かせてもらったりしたそうです。特に、土の選別はとても勉強になったとおっしゃいます。

自分の目がまだ養われていないうちに轆轤をひいても、いい作品はできない。というのが教えだったそうですが、初窯のときは、轆轤が全然出来なくて、ひどい出来だったと笑って教えてくださいました。




●おしゃべりは苦手?
先生のご実家は備前焼を扱う焼きもののお店をされています。なぜ作る側になられたのですか?と伺ったところ、自分はしゃべるのが得意ではないから商売は向いてなくて・・・と優しく笑いながら教えてくださいました。

おしゃべりは苦手…とおっしゃるものの、お話をしていて感じますが、こちらの言葉にまっすぐ耳を傾けて、一つ一つ丁寧に答えてくださる。その様は、先生の作品に現れています。




●想像の膨らむ窯詰め
そんな実直な先生が、とても嬉しそうに話して下さったのが窯詰めのこと。一番好きな作業なのだそうです。2週間くらいかけて詰めていくのだそうですが、どんな風に焼けるのかを考えていると、想像が膨らんで来て、なによりも楽しいとおっしゃいます。



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ちょうど伺ったときは、作品がずらっと窯詰めを待っている時。



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お弟子さんも窯道具をせっせと作っておられました。



●今後は
食器に少し力を入れてやってみたいとおっしゃいます。今はほとんどが轆轤やたたきで作っているそうなので、四角いものなどにも挑戦したいとか。

食器には全ての要素が詰まっていると言います。
焼ものの世界に入られて30年。これからまた新たなステージへ向かわれる高力先生。
再度、食器に向き合う先に、どんな感性が宿るのか。とても楽しみです。




先生は22日(日)までご在廊予定です。
ご来苑お待ちしております。





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先生の登窯



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中は大きくて広い




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運道から一番への通り道(素穴)
ここでカセ胡麻がとれる


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炎の勢いを感じる窯内の煉瓦壁




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大量の薪
反対側にも積まれていたが、一度の窯焚きで使いきる









【備前 高力芳照展】
2019年9月20日(金)~24日(火)
11:00~19:00
会場:しぶや黒田陶苑
作家在廊日:9月20(金)~22日(日)


◆高力芳照 / 陶歴◆
1970年 兵庫県赤穂市に生まれる
1989年 金重素山、金重有邦に師事する
1996年 備前市閑谷に独立し、築窯
2003年 当苑にて個展を開催する
2016年2017年 田部美術館「茶の湯の造形展」入選


(恭)


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