刹那

物入れを片付けていたら、サッカーボールが転がり落ちた。白い六角形と黒い五角形の連続したあの典型的なボール。まじまじとボールを見ると、かなり蹴ったと見え、革が所々擦り切れて毛羽立ちスエード状になっている。両手で持って眺めながら、今日からFIFA女子ワールドカップ2019が開幕するのを思い出した。全仏オープンに続き、また夜更かしの日々が、しばらく続きそうだ。


さて、当苑では本日より『ひとりたのしむ 昭和巨匠陶藝逸品展』が始まりました。FIFAの開幕をよそに、店内はいつも通り静謐な雰囲気を保っています。


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ひとつひとつの作品に集中してご覧いただけるように、1点ずつ余裕をもって展示しております。
珍しい作品がございますので、梅雨入りも気がかりな季節ではありますが、是非お運びいただいて実物をご覧いただきたいと思います。(その後、ニュースで梅雨入りをしたと報じていました)


今週の花




益田芳徳先生の深いグリーンのガラスの細い鶴首に、細い茎の乙女百合がそっと支えられているよう。

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淡いピンクの乙女百合の華奢な姿がガラスに良く映えます。

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巨匠の作品が並ぶ展示、茶碗あり、花入れあり、鉢、茶入れ、水指…等々、実にバラエティーに富んだ作品。
形や表現方法は異なっていても、今は亡き作家の方々の思索や主張、はたまた生き様までもが見え隠れしているようで、思わず「きっと、こんな方だったのではないだろうか?」と、その人となりを勝手に想像してみる。
もちろん一つの作品が、すべてを語り尽くす訳ではない。それでも、今 目の前にある茶碗なり、花入れなりが、少なくとも、その時の作家の精神の吐露の表れではある筈。
とすれば、作家の生きた時代の刹那を切り取った一片とも思えてくる。その刹那が連続して、様々な葛藤や苦難を経て、作品は変遷していったのだろう。


白と黒のピースが一片も欠けることなく繋がってサッカーボールの球体が出来上がっているように、一つ一つの作品を一生制作し続けた結果が現代にも感動を与える、やがて巨匠と呼ばれるひとりの作家となり得た所以ではないか。


と、真面目に作品を鑑賞しながら、頭の片隅でサッカーボールがちらついてきた。6月11日のなでしこジャパンの初戦が気になり出したのは言うまでもない。サッカーの試合も延長戦のほんの僅かな瞬間が勝敗を分けることはよくあること。 

刹那の時間を侮るなかれ!




(藤)




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