南風…はえ

いつも親切な顔馴染みの宅配便のお兄さんが、すまなそうな顔をした。何を言い出すかと思えば、近頃とみに盗難が多く、不在の時に決まった所に置くというのは出来なくなったと。再配達で何度も往復してもらうのも気の毒だし、留守の時はクール便以外は勝手知ったる何とやらで、きちんと定位置に置いてくれ、とても助かっていた。
以前は、隣近所でお互い様と荷物を預かったりも普通だったが、今は禁止。なんとも世知辛いことだが仕方がない。宅配ボックスとやらを置かなくてはかと思案中である。


『唐津 矢野直人展』の初日を迎えました。宅配便の話とは違い、矢野先生はいつものように、穏やかな優しい雰囲気でいらして下さいました。

今年も多くの作品をギリギリまでお作り下さり、店内が賑やかです。そして、チャレンジなさった作品も目を引きます。

食器のコーナー

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人気の酒器が沢山展示されています。

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湯呑・茶碗も棚やショーケースに。

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今週の花

二ヶ所に活けております。まずは床の間。

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半夏生の葉が上から白くなり始めています。
小さいながら姫百合のオレンジ色が主張しています。

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シモツケは小花が集まって咲く様が愛らしい。

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アザミはキク科の多年草だけに、葉が菊に似て切れ込みがあります。

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以前より、先生が胎土や釉薬を試されていたという彫唐津。成形後、完全に乾く前に竹べら等で文様を刻む。
勢いよく削られた×。それは、ある種の修復不可能な作業である。決めたポイントから一気に動かさなければ、シャープな彫りはできない。
しかも袈裟懸けを左右繰り返さなければならない。
勢い余れば、模様どころか作品本体を傷付けるであろうし、弱過ぎれば模様を際だたせることも難しい。
それは、熟達した技術と経験に裏打ちされているだけでなく、そこに神経を集中させる力が重要な要素ではないだろうか。

自分に置き換えて想像するに、きっと始点も決められずに何度も試した点線のような跡が残りそうで、およそシャープな×は描けないだろう。
先生の長年の真摯な作陶が、切れ味の良い美しい彫りを生み出す集中力をも培うことになったのは間違いない。
それでも、その苦心や苦労を微塵も感じさせない柔和な表情の先生。今吹く風のように。
それは、南の方角から吹いてくる季節風…

南風 

「はえ」とも呼ぶその風は、肌の毛穴の中まで入り込んできそうな熱風ではなく、まだ真夏の熱を帯びない柔らかな風。湿気を含むが決してまとわりつきはしない。
そんな風をはらんだ店内は、やはり居心地がいいに決まっている。




(藤)



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