『唐津 矢野直人展』 ~作品紹介~

台風のような土砂降りと、真夏のような蒸し暑い日照りを交互に繰り返す日々に、我々は切り替えが上手く行かずに身体の深部に鈍い重みを感じる今日この頃。
それに反するように、お庭の草花は一雨ごとに力強さを増してシャキッと、スクッと頭を持ち上げて力が漲るようです。


さて今週の金曜日からは、『唐津 矢野直人展』が始まります。
いつも矢野先生の作品の数々は、無駄なくスッキリとした印象のフォルムの上に独特の唐津釉が乗り、時に瑞々しく鮮やかに、時に静かに微かな変化を愉しむような、しなやかな筋肉のように変化に富んだ姿を見せてくれます。それは雨上がりの草花の柔らかでいて強い立ち姿にも似ています。

いつもこのブログを書く前に、数年前にまで遡って其々の先生方の個展を振り返ります。
今回で6回目となる矢野先生の個展。
その作風は当初から、いい意味で素朴で飾り気のない雰囲気は変わることなく、しかしながら、段々と深味や表情が増して一点一点が充実した仕上がりへと変化しています。

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会場
さて、今回の作品はどんなものが揃ったでしょうか。
作品の一部ですが、ご紹介させて戴きます。


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69:黒釉ぐい呑 / 4:絵刷毛目徳利
筆さばきが柔らかく、徳利の優しい丸みと一体となっています。
黒釉のぐい呑も小さい中で様々に変化し、掌で転がすと様々な表情が愉しめます。

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84:斑唐津ぐい呑 / 6:斑唐津徳利
白っぽい斑の作品ですが、どちらも表情が全く違います。
白の重なりを愉しむような徳利と、素地の色を含めて愉しむようなぐい呑の斑。
ぐい呑の見込みには釉溜りに向かって複雑な変化を見せる釉の色や表情の変化が愉しめます。

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104:斑唐津ぐい呑 / 25:斑唐津徳利
こちらも斑の作品ですが、上にご紹介した作品とは打って変わって青味を帯びた2タイプ。
外側が黒く、一見、朝鮮唐津のようにも見えるぐい呑は、見込みに流れた釉が美しく浮かび上がるよう。
徳利は、土の中の成分と反応したのか、複雑な釉の流れを愉しめます。

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91:朝鮮唐津ぐい呑 / 5:黒釉徳利
どちらも落ち着いた雰囲気の酒器ですが、よく見ると、朝鮮唐津の釉の中に焦げのような表情が出ていたり、黒釉の一部が黄色っぽく変化していたり、表情豊かな作品となっています。

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9:唐津ぐい呑 / 7:絵唐津ぐい呑
静かな中にある表情の変化を愉しんで戴きたい、そんな作品。
灰釉の流れや、土色、細かな貫入、筆の勢いによる鉄絵の色合いの変化などなど……
ささやかな、自分だけの満足感に浸れそうなぐい呑。

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64:唐津ぐい呑 / 101:伊羅保ぐい呑
少し色を感じる2点の作品。
写真では分かりづらいですが、青唐津のような少し透き通った青味に変化したぐい呑と、土に練り込まれた砂粒を活かして辛子色の伊羅保に焦げや変化を付けたぐい呑となっています。

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31:絵刷毛目片口
力強い刷毛目の筆の動きと、滑らかな鉄釉の筆の流れを感じる素敵な片口です。

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53:彫唐津ぐい呑
今回は何とも味わい深い彫唐津のぐい呑を数点ご用意戴きました。
古唐津を思わせる渋みのある色が入った貫入の下には勢いあるクロスの彫りを感じられます。

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1:黒唐津水指
力強い造形の上にかかる釉は、飴色のように見える部分や、青味に変化した部分など様々に変化し、その造形をより変化に富んだものに見せています。
水指の中に見える鱗のようにも見える削りの痕も、秘かに愉しみたい、そんな一品となっています。

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20:斑唐津茶碗
色合いや、釉の動きの変化が存分に愉しめるお茶碗。
清々しい気持ちで戴けそうな、お茶碗となっています。

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132:黒釉皿揃 五
お皿を重ねて焼く際に引っ付きを防ぐために置いた砂粒が、デザインの一部となった黒釉のお皿は、モダンでスタイリッシュな仕上がりです。

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122:斑唐津皿揃 五
柔らかな斑釉はこれからの季節に出回る桃を思わせるような形。
釉もやや桃色に変化している部分もあって、良い雰囲気です。

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130:刷毛目皿揃 五
たっぷりとのった白化粧が刷毛目の筆の流れを残して、大変使いやすそう。

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117:朝鮮唐津花生
床を飾る花活けは金曜日に入るお花を、今か今かと待っているような立ち姿。
灰が被ったような釉の表情の変化も、充分に愉しめます。






しなやかな筋肉。爽やかな笑顔。柔らかな話し方。
先生そのものが、形となって並んでいるようです。

先生も(金)(土)(日)と御在郎予定です。
ご自身にあった作品との出会いを探しに、是非、御来苑下さいませ。









※尚、図録、DM掲載外の作品に関しましてはご予約は承れません旨、予めご了承下さいませ。

(葉)




唐津 矢野直人展

Exhibition of YANO Naoto
開催期間:6月21日(金) ~ 6月25日(火)
Exhibition : June 21 to June 25, 2019
11:00~19:00


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会場
会場の一部には、湯呑のコーナーも御座います。




矢野直人

YANO Naoto

陶歴
1976年 佐賀県唐津市に生まれる
1994年 アメリカに5年間留学する
2002年 佐賀県立有田窯業大学校を卒業する
2003年 佐賀県立有田窯業大学校嘱託講師として勤務する
2004年 自宅 殿山窯にて作陶を始める
2008年 韓国 蔚山にて6ヶ月作陶する
2015年 割竹式登窯を築窯

  以降、各地で個展やグループ展を多数開催する





京橋 魯卿あん
Rokeian

 〒104-0031 中央区京橋2-9-9
 TEL: 03-6228-7704 FAX: 03-6228-7704
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