陶心

アクセスカウンタ

zoom RSS 梶原靖元展    〜作品紹介〜

<<   作成日時 : 2019/01/30 21:26   >>

トラックバック 0 / コメント 0

むか〜し むかし あるところに……

誰しもが幼き頃に馴れ親しんだ「まんが日本昔ばなし」。
故 市原悦子さんの、そのコロコロと転がるような声色とリズムは、子供心に何とも言えない安心感をあたえ、同時に、一気に物語の中に吸い込まれ、想像を掻き立てるような魅力に溢れていました。

実は数年前、実際に市原さんの朗読を聴く機会があったのですが、その声を聞くと自分の中で作られた想像の世界に色がついて、本当に物語の中に迷い込んだような不思議な錯覚を覚えたのを思い出しました。


さて、今週の金曜日からは毎年、蕗の薹の芽吹きと共にお願いしております『梶原靖元展』が始まります。
作陶に使う全ての材料を、窯の周囲で採れるものを使い、岩を臼で細かく砕くところから始まります。
そんな作業や工程、全てに疑問を持って、検証。
謎を解き明かすように今の作品作りに繋がってきたと、先生は仰います。
そして、その工程ひとつ、ひとつが愉しいのだとか……。

梶原先生の展示会場では良く、お客様からの質問に丁寧にお答えされる先生の姿をお見かけします。
我々の質問にも、静かな口調で優しく、包み隠さずお答えくださいます。
それは作陶の細かな工程に至るまで……。

それは、小さな大切な歴史を次世代に伝えてく語り部のようでもあります。


では早速、次世代につなぐ梶原先生の新作を、数点ですがご紹介させて戴きます。


画像
画像
75:斑々茶盌
透き通るような美しい青の斑茶盌。
見込内に残した掛残しのすき間から覗く素地の色がまた美しさを引き立てている。

こんな美しい色を作り出す斑の釉薬も、一般的には藁灰を使うことが多い中、先生は「実際に昔の人たちが貴重だった藁を燃やして、本当に釉薬を作ったのか……」と疑問を持ち、一時、実際に田んぼを借りて無農薬の稲づくりを続けながら、当時の生活を感じ取り検証を重ねたのだとか。
結果、長石分が多いのが特徴の岸岳系砂岩を木灰に足すと、斑の釉薬になることが分かったという。

画像
画像
88:李朝茶盌
硬く焼き締まった茶盌にかかる優しい釉色。
所々桃色に染まった茶盌は春の息吹を感じるあたたかさを感じる。

画像
画像画像
5・7:蓮葉盃
蓮の葉みたいでしょ?と先生。
その落ち着いた穏やかな色合いは、こちらの心をスッと鎮めるような清らかさがある。

画像
画像
画像
20:豚草盃 / 16:豚草馬盥盃
秋になると黄色い花を咲かせる、あのブタクサがこんなに渋く格好良い姿になるとは驚きです。
素地に入る亀裂もまた、一見静かな作品の中の見所となっている。

昔の物、古唐津は水漏れしない……
先生の疑問はここでも深く追求に時間をかけられました。
これは機械を使わず、自らの手で岩を砕くことにより、砕いた粒の断面が様々なことから密に絡み合い強度が増すのだとか。
朝鮮で発掘された一番古い窯を復元されて作られたという粘土だけで出来た先生の窯は、1250度を越えると熱で窯が壊れてしまう為、温度を調節して半日くらいの短時間で焼かれるそう。
それでも漏れのない、締りの良いやきものが生まれてきます。

画像
画像
25:白飯洞盃 / 65:唐津志野徳利
満月に雲がかかったような面白い徳利。
このほんのりとした緋色が、はにかんだ梶原先生が放つ雰囲気と重なり柔らかな気持ちにさせてくれる。

画像
画像
57・56:伊羅保チョコ / 62:扁壷徳久利
浅い作りのお猪口は思いのほか小振りに感じる。
お酒の風味が変わらないうちに、スッと喉に流し込めるだろう。

画像画像
22:御所丸盃 / 2:黒高麗扁壷徳利
勢いよく筆を下ろしたような御所丸の盃は、なんとも気持ちの良いお酒が戴けそう。

画像
画像
10:龍山黒山盃 / 70:唐津志野片口
丸く優し気な作りの片口には、力強い釉の縮れを感じる盃を合わせてみました。

画像
画像画像
51:冬青釉筒 / 64:斑徳久利
ほんのり青く染まっているのがお分かり戴けるでしょうか。
ふくふくと泡立つように釉が縮れる反対側は淡く美しい斑のような青色をしている。

画像
画像画像
38:雲泥盃 / 71:白陶燗瓶
雲泥とは何とも素敵な夢あるネーミング。
その白は柔らかな雲のような穏やかな雰囲気。
海辺に建つ灯台のようなスリムな熱燗用の白陶燗瓶を合わせて……。

画像
画像
54:飛染付筒 / 109:青花ソバチョコ
先生の作られる美しい白の土に青が入ると、鮮やかで印象的なものになります。
ずっと眺めていると凪いだ海を見ているような静かな落ち着きを取り戻してくれるよう。

画像画像
67:斑々小徳利
一升入るか…入らないか…くらいの小さな徳利。
古くからそこにあったような貫入が入って何とも素敵です。
お酒を召し上がらない方でも、一輪挿しとしてお使い戴けそう。

画像
画像
90:伊羅保皿鉢 六客 / 91:伊羅保輪花手塩皿 六客
春を思わせる優しい色合いで季節を存分に愉しんでみたい。

画像
画像
92:青花皿鉢 五客
静かに水中を舞う優雅なお魚のように見えませんか?
とても綺麗で、使う幅が広そうな一皿。

画像
画像
103・102:小十湯飲
御本手が入る丸みを帯びた湯呑は、掌になじんでお気に入りの湯呑になりそう。

画像
128:飴釉一輪差シ
小さな一輪挿の花入れは、そっと草花を惹き立ててくれる。




自分の窯で焼いた物は、全て使います。
「作ること」と「使うこと」どちらも大切にしています。


とは、とあるインタビューで先生が仰っていた言葉。

その今の制作スタイルに至るまでの地道な研究。
また、作る過程も実際には、ほとんどが材料づくりに使われるほど険しい作業の連続。
妥協を許さず、今でも疑問をもって挑む姿は、次世代に歴史を繋ぐ語り部であり、その反面、あの昔話を聞いて想像を膨らませて目を輝かせていた少年のままなのかもしれません。

先生は2月3日(日)まで御在廊予定です。

そんな物語を語るような優しい雰囲気の作品の数々から紡ぎだされる言葉を感じに、是非ご来苑下さいませ。





※尚、図録、DM掲載外の作品に関しましてはご予約は承れません旨、予めご了承下さいませ。

(葉)




梶原靖元展

Exhibition of Yasumoto Kajihara
開催期間:2月1日(金) 〜 2月5日(火)
Exhibition :February 1 to February 5, 2019
11:00〜19:00




梶原靖元
Yasumoto Kajihara

陶歴
1962年 佐賀県に生まれる
1980年 唐津の江口宗山に師事する
1989年 京都の大丸北峰に師事する。
      有田、唐津、京都など各地で修行を重ねる
1995年 唐津にて独立する
1998年 相知にて築窯する
2001年 佐里にて築窯する
2002年 韓国古窯址を調査
2003年 韓国古窯址にて3カ月間研修






京橋 魯卿あん
Rokeian

 〒104-0031 中央区京橋2-9-9
 TEL: 03-6228-7704 FAX: 03-6228-7704
 http://www.kurodatoen.co.jp/rokeian/
 営業時間:11:00〜18:00 定休日:日曜日・祝日



※無断転載、再配信等は一切お断りします


黒田草臣ブログはこちら

Twitterページ はこちら

Facebook ページはこちら

Instagram ページはこちら

しぶや黒田陶苑のホームページに戻る

月別リンク

梶原靖元展    〜作品紹介〜 陶心/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる